産婦人科(お産について)

当院の特徴

 当院は専門性の高い診療科を多く備える総合病院として、様々な合併症を持つ妊婦さんの周産期管理を行っています。その中でも最大の特徴は、小児循環器科との協力の元で胎児心疾患の周産期管理を行っていることです。(中京こどもハートセンター)
 他にも特徴ある専門疾患センターと常時連携しており、腎疾患・移植腎合併妊娠の管理(腎臓病センター)、膠原病合併妊娠の管理(膠原病リウマチセンター)、母体心疾患合併妊娠の管理(成人先天性心疾患外来)などを行っています。

 もちろん、地元の通い易い病院としても近隣にお住まいの妊婦さんに選んで頂いています。里帰り分娩も含め分娩予約に特に制限は設けておりません。お気軽に受診して頂ければ幸いです。

外来

  •  外来診療は、午前中(9時〜12時半)は常勤医師による第1診と第3診(月〜金の毎日)および非常勤医師による第2診(火・木・金)で行っています。
  • 午後(14時〜16時)は医師交代制の診療を一診で行っています。

外来担当医一覧

 午前診療(09:00-12:30)

                          
第1診
(一般診)

齊藤

鈴木

竹内

則竹

鈴木

第2診
(一般診)

休診

関谷

植草

休診

休診

第3診
(主に妊婦検診)

竹内

藤井

則竹

藤井

齊藤

 妊娠判明から分娩予定日決定までの受診の方は、主に第1・2診で診察させて頂きます。 (新型コロナウィルス感染対策として、患者さんの待ち時間・在院時間を短縮するべく努力しております。迅速な診療のため、担当医師のご希望に沿えない場合があることをご了承下さい。)
 分娩予定日が決定され母子健康手帳が交付された後は、主に第3診で妊婦検診を行っていきます。

 午後診療(14:00-16:00)

14:00-14:30

スクリーニング検診

スクリーニング検診

産褥検診

スクリーニング検診

スクリーニング検診

14:30-15:00

一般妊検
など

一般妊検
など

産褥検診

一般妊検
など

一般妊検
など

15:00-15:30

スクリーニング
検診

一般妊検
など

スクリーニング
検診

スクリーニング
検診

15:30-16:00

一般妊検
など

一般妊検
など

一般妊検
など

一般妊検
など

 午後の診療の担当医師は毎日1名で、交代制です。表のように、スクリーニング検診・一般妊婦検診など・産褥検診の3種類に診療枠を分けています(スクリーニング検診については「妊婦検診」の項をご覧下さい)。
 産褥検診は、小児科での新生児1ヶ月検診に連なる時間帯で行っています。 一般妊婦検診の診療枠は、午前中の時間帯に来院が難しい方にご利用頂いています。 (担当医師は交代制のため固定されません)

診療時間

  • 初 診 8:30~11:00
  • 再 診(予約のない方)8:00~11:30
  • 休診日 土・日・祝・年末年始(12/29~1/3)
  •  予約時間通りの診療に努めておりますが、状況により待ち時間が生じる事をご了承下さい。
  •  また予約外で来院された患者さんは、多くの場合お待ち頂くことを予めご了承下さい。

分娩予約

  •  当院での分娩をご希望の方は、妊娠20週までに分娩予約をお取り頂きます(20週以降に当院に紹介となった場合は、この限りではありません)。
  •  妊娠12〜14週頃の産科外来受診の際に、ご希望の有無を確認させて頂きます。
  •  現在当院では分娩予約数に制限を設けておりませんが、なるべく早めにお決め頂くようお願い致します。

里帰り分娩について

  •  新型コロナウィルスの流行以前は、里帰り分娩ご希望の方にも分娩予約のための受診をお願いしていました。現在は、通院中の病院からの紹介状を送信して頂くことで分娩予約をお取りしています。 妊娠経過が順調であれば、妊娠34週台までの里帰りをお願い致します。
  • 骨盤位妊娠(逆子)などで帝王切開が必要な方は、32週台までの里帰りをお願い致します。
  •  里帰り後の当院の妊婦検診では、前の病院で検査されていなかった項目を追加で検査させて頂くことがあります。
  • また、名古屋市と連携のある市町村からの里帰りの場合は検診に公費券を流用できますが、連携がない場合はいったん自費でお支払い頂かねばなりません(払戻し可能です)。

妊娠健診

  •  お住まいの地元の保健所に妊娠届を提出すると、母子健康手帳と妊婦検診用公費券(14枚)が交付されます。以後はこの公費券を用いて妊婦検診を行いますので、手帳・公費券の両方を必ずご持参下さい。
  •  妊婦検診は、当院分娩予定の方以外にも、里帰り分娩など他院分娩予定の方もお受けしています。
  •  検診では毎回、妊婦さんの血圧・体重測定・尿検査および胎児超音波検査を行います。産科外来に到着されたら、中待合のお手洗いで採尿の後、血圧計・体重計で計測をお願いします。 その他、公費券に沿って採血検査や感染症検査を適時行います(下表は名古屋市の例です)。
週数 検診内容など
8〜10週 公費超音波、初期採血
12週 分娩予約案内、 保健指導
16週 通常検診のみ
20週 通常検診のみ
20週 採血、公費超音波(スクリーニング)
24週 通常検診のみ
26週 公費超音波、採血
28週 採血
30週 クラミジア 採血スクリーニング
32週 保健指導
34週 採血
36週 採血、膣培養検査
37〜41週 分娩まで毎週検診
  •  通常の妊婦検診に加えて、20週台前半と30週台前半に1回ずつ、30分ほど時間をかけて赤ちゃんの超音波検査を行います。普段の妊婦検診で見過ごされている異常が無いか、担当医師以外の医師の目でも確認するためのものです(スクリーニング検診:月14:00-14:30、火・木・金14:00-14:30、15:00-15:30)。
  •  妊婦検診の超音波検査装置には4Dエコーも備えられているので、赤ちゃんの向きなどの条件が合えば検診時に4Dエコーを行うことが出来ます(追加料金なし)。
  •  また、妊婦検診の間に最低でも2回ほど、助産師による保健指導を受けて頂きます。 わからないことや困っていることがあれば、医師、助産師・看護師にいつでもお声掛けください。

保健指導(助産師)

  •  妊婦検診で来院された際に、助産師が産科外来で行う個別指導です。 初期(12〜20週)と後期(30〜34週)の、少なくとも2回行っています。
  • 限られた妊娠期間を安心して過ごせるように、妊婦さんお一人お一人に合わせて必要な情報をお伝えします。心配事やお困り事を伺い、必要に応じて保健センターその他の支援事業と連携を行っていきます。
  •  具体的には以下の項目をお話しします。
  •     
  • <妊娠初期の回>
     • 妊婦検診の受け方(当ページ該当項目「妊婦検診」もご参照下さい)
     • 妊娠中の生活一般、体の変化、マイナートラブルについて
     • 妊娠中の体重管理、歯科検診
     • 妊娠中の異常と症状、病院への連絡方法(当ページ該当項目「妊娠中の異常」もご参照下さい)
     • 赤ちゃん用品と入院必要物品 <妊娠後期の回>
     • 妊娠後期に起こりやすい異常と症状
     • 分娩入院の時期と連絡方法 (当ページ該当項目「陣痛が来たら:来院から入院・出産までの流れ」もご参照下さい)
     • 分娩の経過について
     • 帝王切開について
     • 新生児に対して行う検査と申込書類について
  •  胎児心疾患や母体心疾患、膠原病などの合併症をお持ちの方には、さらに多くの指導を行っています。

すくすくクラスについて

  •  新型コロナウィルスの流行以前は「母親教室」の名称で行っていた、妊婦さんとパートナーの方に向けた妊娠・出産のためのクラスです。2023年4月より再開しております。

妊娠中の異常について

  •  症状と受診方法 妊娠初期のつわりに始まり、便秘や腰痛、そしてお腹の張りと出血など、妊娠中のトラブルは多岐に亘ります。その中で注意を要するのは腹痛と出血です。またごく稀ですが、まだ早い週数のうちに破水が起こることもあります。
     このような症状に際しては、早めにお電話など連絡を頂くようにお願い致します。 平日の日中と週末や時間外では対応部署が異なります。また週数によっても部署が異なっています。 下表を参照の上でご連絡下さい。

<妊娠初期〜36週台までの方>

平日(月〜金) 週末(土日)・祝祭日
08:30〜17:15

産婦人科外来

救急外来

17:15〜08:30

救急外来

救急外来

<37週以降の方>

平日(月〜金) 週末(土日)・祝祭日
08:30〜17:15

産婦人科外来

27病棟

17:15〜08:30

27病棟

27病棟

  • 病院の電話番号
  •  052-691-7151(代表)
  • 「産婦人科外来」あるいは「27病棟」へ繋いでもらって下さい。
入院となる場合

 脱水を伴う重度のつわり(重症妊娠悪阻)、腹痛・定期的な子宮収縮・出血(切迫流産、切迫早産)、破水(早期破水、前期破水)などの症状は、すべて入院の対象となり得ます。
 診察により入院が必要と判断されたら、27病棟の産科ユニット内の病室に入院して頂きます。
 これらの入院の際にも、新型コロナウィルスの抗原およびPCR検査を行います。

切迫早産について

〜当院で対応可能な週数~
 切迫早産とは、子宮収縮が頻繁に起きて赤ちゃんが早い週数で産まれてしまう(=早産)危険のある状態のことです。早産とは、36週6日までに産まれることを指します。
 早産の赤ちゃんは体重が小さく、身体の機能も未熟な状態です。早産児の治療にはNICU(新生児集中治療室)が必要となりますが、これは産科医療の中核である「総合周産期母子医療センター」「地域周産期母子医療センター」に設置されている施設です。当院では、患者さんが35週未満の早産の危険がある場合には周産期母子医療センターへ搬送し、早産の赤ちゃんに対応して頂いています。
 35週以降の早産の赤ちゃんに関しては、小児科病棟内の新生児治療室で治療して頂いています。

その他の治療

羊水検査

 赤ちゃんの染色体を調べるために、お腹の上から細い針を穿刺して子宮内の羊水を採取する検査です。羊水検査は自費診療であり、入院日数により費用が異なります。

1泊2日の場合:
 150,000円(FISH法併用の際は210,000円)

日帰りの場合:
 120,000円(FISH法併用の際は180,000円)

 お母さんの採血検査による赤ちゃんの出生前検査(NIPT)は、当院では行っておりません。

妊娠中に行われる手術など

 妊娠中に起きた合併症に対する手術と、妊娠継続に必要な手術に大別されます。
 前者の代表例には卵巣腫瘍の茎捻転(※)や破裂、後者には頚管無力症(※※)に対する子宮頚管縫縮術があります。これらの手術では、術中にお腹に負担がかかって流早産とならないように、十分な注意が必要です。
 これらの手術は全て保険診療が適用されます。

 ※茎捻転:卵巣が腫瘍で大きくなり、卵管や血管を軸として捻れること。 時間が経つにつれ卵巣自体が壊死してしまう。
 ※※頚管無力症:子宮口が非常に早い週数のうちに開いてしまい、流産に至る病気のこと。

中京こどもハートセンターについて

  •  当院の心臓血管外科・小児循環器科・麻酔科・産婦人科が協力して、新生児心疾患の安全な治療を進めるために立ち上げたセンターです。
     胎児心疾患の妊婦さんに対して産科で周産期管理を行い、小児循環器科立ち会いのもとで出産して頂きます。赤ちゃんはNICCUで確定診断ののち、適切な時期に心臓血管外科による手術を受けます。
     赤ちゃんは手術後落ち着いたら再び小児循環器科での管理に戻り、以後は成人に達するまで小児循環器科でフォローアップされます。
     成人された元患者さんが妊娠された場合も、産科が当院の循環器科とともに周産期管理をしています。このような患者さんは、成人先天性心疾患外来(ACHD外来)でフォローアップされています。

お産について

  •  お産は、赤ちゃんが約10ヶ月間お母さんのお腹の中で育ったあと、お母さん自身の陣痛によって外の世界へ産み出される現象です。
  •  このような順調なお産は正常分娩と呼ばれるものです。しかし、妊娠経過や合併症の種類によっては、正常分娩以外のお産の仕方(分娩様式)が必要になることもあります。
  • また、分娩予定日(妊娠40週0日)に出産される方は多くはなく、初産の方では予定日を過ぎても陣痛が来ないことがあります。この場合、人工的に陣痛を起こす必要があります。
  •  以下に分娩様式、分娩時の処置、分娩進行を助ける治療等について説明致します。

分娩様式(経膣分娩と帝王切開)

  •  経膣分娩が可能なのは基本的に重い合併症の無い方で、なおかつ赤ちゃんの向きや胎盤の位置に問題が無い場合です。
  •  以前に帝王切開や子宮の手術(筋腫核出術など)を受けられた方は、帝王切開での分娩となります。経膣分娩の予定で分娩が進行していても、状況の変化により緊急帝王切開が必要になることもあります。
  •  現在の当院の分娩様式は、経膣分娩が約7割、帝王切開が約3割です。

経膣分娩時の処置

  • 以下のような処置・治療を行うことがあります。
  •  会陰切開・裂創縫合: 多くの方(初産では大半の方)で会陰切開や裂創の縫合が必要となります。
  •  
  •  吸引分娩・鉗子分娩: 赤ちゃんの状態が急変し、分娩を急ぐ場合には吸引分娩や鉗子分娩を行います。
  •  
  •  緊急帝王切開: 吸引・鉗子と同様に分娩を急ぐ場合、或いは分娩自体が停止している場合、超緊急事態では帝王切開を行います。
  •  
  •  輸血: 分娩では子宮や膣の傷からの出血がありますが、予測以上の多量出血に達したために輸血が必要となることがあります。

分娩誘発

  •  分娩予定日を過ぎても陣痛が来ない方、合併症(妊娠高血圧症候群や妊娠糖尿病など)の悪化が心配される状態の方などは、分娩誘発が必要となります。
     陣痛を起こすには、子宮収縮剤の点滴を行います(アトニン®︎:一般名オキシトシン)。
     子宮口がまだ余り開いてない方には、まず子宮口を拡げる処置を行う場合があります(メトロイリンテル:医療用バルーンを子宮口から子宮の内側に挿入し、バルーンに水を注入して内側から子宮口を開いていく方法)。
     子宮口がある程度開いていてもまだ柔らかくなっていない場合、腟用剤(腟内に投与する薬剤)を用いて子宮口を柔らかくする方法があります(プロウペス®︎:一般名ジノプロストン)。プロウペスは現在自費診療であるため、別途費用が発生致します(1回につき30,000円)。
     上記の方法を組み合わせて、分娩進行を促していきます。

無痛分娩

  •  現在、当院では経産婦さんに対して計画分娩の形態で無痛分娩を提供しています。
  •  妊婦検診を通して、安全な無痛分娩が行えると判断した妊婦さんに対して、適切な時期に無痛分娩の入院日程をご提案します。
  •  無痛分娩は基本的に妊婦さん本人のご希望により行うものですが、稀に医学的判断により医師の側からお奨めする場合があります(自然分娩進行中に難産のため和痛が必要となった場合など)。
  •  無痛分娩の詳細については、産科外来で担当医師にお問い合わせ下さい。
  •  費用:本人ご希望の場合は10万円、医学的判断による場合は5万円を、通常の分娩費用に加えてご負担頂きます。

分娩時の立ち会いについて

  •  新型コロナウィルスの流行以来、分娩時のご家族の立ち会いは中止しておりました。
  •  現在、当院で分娩予定の全ての妊婦さんに入院時コロナウィルス抗原およびPCR検査を受けて頂いています。
  •  これに合わせて、2022年からは立ち会いご希望のご家族にも同様の検査をお願いし、陰性の場合には立ち会いをして頂けることとしました。
  •  また、帝王切開や計画分娩など入院日が前もって分かっている場合は、入院前にお二人ともPCR検査を受けて頂きます。
  •  立ち会い分娩のご希望に関しては産婦人科外来で確認させて頂きます。ご希望の場合は、立ち会われるご家族のカルテを前もって作っておく必要があります。
  •  立ち会いご家族の検査費用:抗原•PCRの検査両方で5,000円

陣痛が来たら

来院から入院・出産までの流れ

 お産は陣痛が来ることで始まります。陣痛とは定期的に起こる子宮収縮の痛みで、最初は弱く、徐々に強くなってきます。また、お産の開始となる重要な兆候には、出血や破水もあります。

 これらの兆候が起きた時の連絡方法、入院の仕方から出産までの手順を以下にご説明します。

病院連絡のタイミング

陣痛:
 初産婦さんなら10分おきの陣痛、経産婦さんなら陣痛が来たらすぐにご連絡下さい。
破水:
 膣から水が降りてきます。
 しかし、尿漏れのように多い場合とおりものと迷う程度に少量の場合があります。
破水を疑ったらお風呂やシャワーには入らず、清潔なナプキンを当ててご連絡下さい。
出血:
 月経程度の出血であればすぐご連絡下さい。また、産徴(おしるし)という少量の出血が見られることもあります。その際は10分毎の陣痛となるまでお待ち下さい。
胎動減少・消失:
 赤ちゃんが産道を降りてきて動きが減っている場合と、何らかの原因で元気が無くなっている場合があります。すぐにご連絡下さい。

上記に当てはまらなくても、不安がある場合はご連絡下さい。

電話連絡〜入院

 妊婦さんへの対応部署は時間帯により以下のように変わります。ご確認の上お電話下さい。

<電話連絡の方法>

 代表番号:052-691-7151

 「産婦人科外来」或いは「27病棟」に繋がったら、以下の情報をお伝えください。

 ①お名前と診察券番号 ②分娩予定日 ③今回が何回目のお産か

 さらに、陣痛の開始時間・間隔・持続時間、破水の時間、出血量などを確認させて頂きます。

 これらの状況を踏まえて、助産師から「もう少し様子を見て下さい」「入院の準備をして来て下さい」などの指示が伝えられます。

 来院を指示されたら、平日の診療時間内(08:30〜17:15)は産婦人科外来、休日や時間外は27病棟にお越しください。

 来院後、医師あるいは助産師の診察で入院が決定されます。入院時に新型コロナウィルスの抗原およびPCR検査を受けて頂きます。

お産の進行〜出産

 まずは陣痛室で経過を見ます。分娩誘発の場合などでは、陣痛がまだ強くない間は一般病室(個室)で経過観察となることもあります。

 分娩が進行し子宮口の全開大が間近になった時点で、分娩室に移動して頂きます。

 無事出産され、分娩室で2時間ほど経過観察した後に病室に戻って頂きます。

 以後は、産後の入院日程スケジュールに沿って過ごして頂きます。

分娩の際の当院からのお願い

 当院は臨床研修指定病院として、臨床研修医・医学部学生・助産学生・看護学生の指導を行っています。

 彼らは分娩および周産期医療全般において、臨床研修として妊婦さんに関わらせて頂きます。

 周産期医療の発展・充実のため、ぜひこれら臨床研修へのご理解とご協力をお願い致します。

施設について

  •  産婦人科病棟は本館7階北側に位置する女性専用病棟です。(名称:27病棟)
  •  27病棟内に産科ユニットが設置されており、ユニット内に陣痛室と分娩室も含まれます。
  •  同フロア南側は小児科病棟であり、緊急事態に際しても小児科医師との円滑かつ迅速な連携が可能です。
  •  小児科病棟は3床の新生児用病床を備えています。また心疾患を持つ新生児は、小児循環器科の管理するNICCU(新生児心疾患治療室)に入院し治療を受けます。
  •  帝王切開は本館4階に位置する中央手術部で行います。また緊急帝王切開に対応するため、14手術室中の1室に常に帝王切開の準備がされています。当院には救急科があり、致命的な多量出血等の万一の場合にも迅速に対応して頂いています。産後の多量子宮出血に対して、血管塞栓による止血術を行って貰うこともあります。

お部屋

  •  出産のために入院される妊婦さんには、感染予防の観点からも優先的に個室を使用して頂きます(室料差額無し)。
  •  陣痛室は27病棟奥の産科ユニット内にあり、分娩室に隣接しています。陣痛開始から子宮口全開大の時まで、陣痛室で過ごして頂きます。
  •  分娩室は、一般分娩室と感染者用分娩室の2室あります。

アメニティなど

入院日に1人1セットお渡しします。内容は以下のとおりです。
•産褥パット(M・Lサイズ)
•産褥ショーツ
•骨盤ベルト(産後直後に使用します)
•分娩監視装置用ベルト •赤ちゃんの帽子

食事

•産前:普通食をご提供します
•産後:産後食+祝い膳(産褥4日目)
現在、各種選択食(ハラール食、ヴィーガン食等)の導入に向けて準備をしています。

分娩費用について

  •  初産・経産の違いや分娩様式により、分娩費用は異なります。概算は下表の通りです。

分娩費用概算と補助制度

分娩形式 入院期間(平均的日数) 費用
経腟分(初産婦)

7日間

約53万円

経腟分娩(経産婦)

6日間

約50万円

帝王切開

8日間

約53万円(※)

  • ※帝王切開は保険診療が適用されます(経膣分娩は基本的に自費診療です)。
  •  保険診療に対しては高額療養費制度が利用できる為、患者さん毎の高額療養費制度区分により、ご負担頂く金額が変わります。
  •  各種健康保険に加入されていれば、赤ちゃん一人につき42万円の出産一時金が助成されます。
  •  また、「出産一時金の直接支払制度」を利用することで、実際にかかった出産費用との差額のみのお支払いで済ませることが出来ます。
  • 例:初産婦さん
     53万円−42万円(直接支払) = 11万円(退院時の実際のお支払い額)

産科医療補償制度について

  •  分娩に際して、稀なことですが不測の事態が起きて赤ちゃんに後遺症が残ってしまうことがあります。
  •  産科医療補償制度は、分娩時に何らかの理由で重度脳性麻痺となってしまった赤ちゃんへの補償制度です。当院はこの制度に加入しており、当院で出産される妊婦さん全員を登録させて頂いています。
  •  この制度についての詳細は以下のサイトをご参照下さい。産科医療補償制度ホームページ

産後の生活

出産日〜退院までのスケジュール

  •  経膣分娩の場合、初めての出産の方は出産日を0日目とし6日目が退院日となります。
     2人目以上の出産の方は5日目の退院になります。
     帝王切開で出産された方は出産日を0日目とし7日目が退院日となります。
     経膣分娩、帝王切開術どちらの場合も体調を見ながら育児を開始していきます。

<指導について>
 ・調乳指導:ミルクの作り方や哺乳瓶の取扱について説明します。
 ・沐浴指導:赤ちゃんのお風呂(沐浴)の準備・実施・片付けについて実際に沐浴を行いながら説明します。
 ・退院指導:退院後の過ごし方について説明します。※指導は病院でお渡ししているパンフレット(すくすくハーモニー)を使用します。

<母子同室時の貸し出し品>
 育児技術習得のため母子同室を行なっています。それに伴い病院より以下の物品の貸し出しを行なっています。
 ・哺乳瓶 ・ケトル ・ミルク缶


※帝王切開後の方は、術後7日目までの産後スケジュールを作成しております。

※画像をクリックすると印刷用PDFがご覧いただけます。

産後ケア入院

  •  分娩後の短い入院期間では赤ちゃんのお世話や授乳に自信が持てない方、パートナーも一緒に育児技術を身に付けたいと思われる方のためのシステムです。
  •  27病棟内の個室で、助産師の指導のもとで育児に自信をつけることができます。或いは、休養を取りたい時には赤ちゃんを新生児室に預けることもできます。
  •  当院は名古屋市より産後ケア事業の委託を受けています。

育児相談(助産師外来)

  •  退院後の母体の健康状態や赤ちゃんの発育状況、育児の状況をお伺いします。退院後に育児の中で困っていることや不安なことを助産師に相談することができます。公費券を使用できるため当日の会計は発生しません。(母乳ケアを同時に希望された方は母乳ケアの費用がかかります)
     開催日時:月曜日〜金曜日 13時から1時間ほど
     場所:27病棟
     持ち物:産褥健康診査受診票(公費券)第1回、母子健康手帳

母乳ケアについて(助産師外来)

  •  育児相談と同日に乳房の状態や母乳育児で悩んでいることを助産師に相談することができます。赤ちゃんと一緒にお越しいただく必要があります。実際にどのくらい母乳を飲めているのか測定することもできます。
     持ち物:おむつ、着替え、ゴミ袋、ミルク+お湯(必要な方のみ)
     費用:1500円

産褥検診

  •  分娩後約1ヶ月の褥婦さんに対する検診です(時間帯、担当医については「外来担当医一覧」→「午後診療」の項をご覧下さい)。
     母子健康手帳と同時に交付される公費券には、産褥検診用のものも添付されています(市町村により1枚あるいは2枚)。
     産褥検診では、褥婦さんの身体的状態の診察とともに心理的状態も検査します。このことにより産後うつなどの異常の発見に努めています。
     産後うつに関しては、産後約2週間で助産師が行なっている育児相談の際も検査を行っています。

医師・スタッフ紹介

産婦人科医師

  • 部長:齊藤 調子(さいとう しげこ)
  • 1995年 名古屋大学医学部医学科卒業
  • 1997年 社会保険中京病院 産婦人科勤務
  • 1999年 刈谷豊田総合病院 産婦人科勤務
  • 2000年 名古屋大学医学部附属病院 産婦人科勤務
  • 2002年 社会保険中京病院 産婦人科勤務
  • 2014年 JCHO中京病院 産婦人科勤務
  • 2021年 JCHO中京病院 産婦人科部長
  • 2021〜2022年 名古屋大学医学部附属病院 臨床講師
  • 日本産科婦人科学会専門医、指導医、母体保護法指定医、新生児蘇生法専門インストラクター
  • 医学博士

早わかり

初診から出産まで

  • ① 月経が2週間遅れたら自己で妊娠検査して下さい。妊娠検査が陽性なら早めに受診して下さい。 前回の中京病院受診が1年以内なら受診予約が可能ですが、それ以外は予約外受診になります。 他院からの紹介の場合は、通院中の病院に病診連携室経由で予約を取ってもらって下さい。
  • ② 2回目あるいは3回目の診察で分娩予定日が決定されます。妊娠届を保健所に提出して母子手帳を交付して貰って下さい。以後の定期受診は妊婦検診になります。
  • ③ 妊婦検診1〜4回目の間に分娩予約を取って頂きます。入院用書類、出産一時金用書類、産科医療補償制度の書類を作成します。必要な方は直接支払制度書類も。
  • ④ 妊婦検診4〜6回目のいずれかで午後枠、30分かけてスクリーニング検診を行います。
  • ⑤ 妊婦検診8〜10回目のいずれかで午後枠、30分かけてスクリーニング検診を行います。
  • ⑥ 妊婦検診10〜12回目の間に分娩様式を決定します。帝王切開なら手術日も決定します。
  • ⑦ 妊婦検診12回目以降は毎週検診を行います。
  • ⑧ 妊娠40週以降は2回/週の検診を行います。分娩誘発の日程を決定します。
  • ⑨ 陣痛・破水が起きたら病院に電話して下さい。電話での助産師の指示に従い来院して下さい。 電話番号:052-691-7151 昼間なら産婦人科外来、時間外は27病棟へ繋いでもらって下さい。
  • ⑩ 27病棟あるいは産婦人科外来で診察し、産まれそうなら入院して頂きます。
  • ⑪ 正常分娩後の入院期間は初産なら6日間、経産なら5日間です。帝王切開は術後6日で退院許可が出ます。
  • ⑫ 産後2週間で助産師外来(育児相談)、産後4週間で医師による産褥検診があります。
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