心臓カテーテル治療とは?
カテーテル治療でできること
先天性心疾患の治療の歴史は外科手術から始まっていますが、近年では器具の進化や技術の向上により、カテーテル治療で修復可能なものがでてきました。心房中隔欠損症や動脈管開存症のカテーテル治療が可能であることは当院の大きな特徴となっています。とくに小児の心房中隔欠損症に対するカテーテル治療では、全国35施設のうちの1つとなっており、愛知県近郊の患者様の治療を当施設で担っています(2017年現在)。該当疾患については、カテーテル治療・外科手術の両面から各患者様に適した治療を検討しています。同じ病名であっても、個々の形態や全身状態によってカテーテル治療の向き不向きがあるため、一概に治療法の優劣をきめることはできません。希望のある方は当院の小児循環器科に直接ご相談ください。成人の方も、この治療に関しては小児循環器科で行っています。
>>当院のカテーテル検査・治療件数について
カテーテル治療とは
胸の皮膚を切らずに、ソケイ部(下肢の付け根の部分)や頚部の静脈や動脈から、カテーテルという細い管を血管内・心臓内に通し、心臓超音波やレントゲン画像を見ながら、狭いところを拡げたり、穴をふさいだりする治療です。皮膚にはカテーテルを入れる点滴用の穴のみですので、外科的手術に比べほとんどの場合、全身麻酔が不要、痛みが少ない、入院期間が短い、傷跡がほとんど残らない、など多くの利点があります。
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心房中隔欠損閉鎖術
心房中隔欠損症(ASD : atrilal septal defect)は、先天性心疾患のなかでも頻度が多く、無症状で経過している患者さんも数多く存在します。症状のある方はもちろん、健康診断をきっかけに見つかった方、昔から経過観察を受けてこられた方など様々な患者様に治療をしています。動脈管開存閉鎖術
動脈管開存のカテーテル治療動脈管開存(PDA : patent ductus arteriosus)は、胎児のときに活躍していた血管が生まれた後も残ってしまうものです。自然閉鎖を期待していたが閉じなかった患者様によく行っている治療です。経皮的バルーン弁形成術
心臓の出入り口にある「弁」が十分に開かない病気があります。肺動脈弁や大動脈弁に対して風船付きカテーテルで裂開させる治療です。心臓外科手術を回避したり、先延ばしにしたりできる可能性を秘めた治療です。経皮的バルーン血管形成術
血管の狭いところを風船付きカテーテルで押し広げる治療です。外科手術後の狭窄に行うことが多いですが、自然の狭窄に効果を示すこともあり、慎重に検討し治療をしています。経皮的血管塞栓術
先天性心疾患において、一連の治療経過のなかで、不用になる血管(むしろ邪魔になる血管)が出てくることがあります。そうした血管を詰めて塞いでしまう治療です。不整脈アブレーション治療
心臓は、適切なリズムで電気が発生し、それが心臓全体に適切に伝わることで動きます。不適切な電気の発生や、伝道路の異常が不整脈をおこし心臓の動きを悪くすることがあります。その電気的異常をカテーテルで焼却する治療がアブレーションです。カテーテル治療の患者登録について
当センターは、JPIC学会に準拠した診療を行っております。学会のデータベース登録事業にも参加しております。
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