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心臓血管手術件数と成績


当院の手術件数

最近20年間の手術件数です。

20年手術件数グラフ 以下の表1?5に先天性心疾患に対する件数を示します。
注)以下の表1?5の各手術件数は、後天性心疾患に対する手術、胸部以外の血管の手術、ペースメーカー関連の手術、創部の再縫合、単純な開閉胸手術、などを除いた先天性心疾患に対する手術のみの件数です。

表1.開心術と非開心術の合計件数
(開心術、非開心術の説明については、このページの下段をご参照ください。)

00-04年 05-09年 10-14年 15-19年
(全期間)
開心術 613 567 878 987 3045
非開心術 185 208 209 177 779
合計 798 775 1087 1164 3824

表2.疾患別の開心術件数
表2は開心術の、各疾患別の5年毎の手術件数です。
実際には複数の心臓病が合併することはよくありますが、主たる疾患名で分類(重複カウントはなし)して表示しています。

開心術の各疾患別の5年毎の手術件数

疾患名 00-04年 05-09年 10-14年 15-19年
動脈管開存 ほとんどは非開心術(表2)で行います.
心カテーテル治療例数はカテーテル治療のページへ.
0 0 0 1 1
大動脈縮窄 大動脈縮窄のみ. 3 2 5 5 15
 +心室中隔欠損 大動脈縮窄に心室中隔欠損をともなう例. 4 6 12 20 42
 +その他 大動脈縮窄に両大血管右室起始,大血管転位,単心室などをともなう例. 2 1 11 10 24
大動脈弓離断 大動脈弓離断のみ. 0 0 0 1 1
 +心室中隔欠損 大動脈弓離断に心室中隔欠損をともなう例 1 4 8 17 30
 +その他 大動脈弓離断に両大血管右室起始,大血管転位,総動脈幹などをともなう例. 3 1 6 1 11
血管輪 重複大動脈弓など. 0 1 1 0 2
肺動脈閉鎖 純型肺動脈閉鎖ともいいます. 11 10 19 18 58
総肺静脈還流異常 22 19 27 24 92
部分肺静脈還流異常 多くは心房中隔欠損をともないます. 8 14 11 13 46
心房中隔欠損 単独例のみ.心カテーテル治療例数はカテーテル治療のページへ. 89 77 115 81 362
三心房心 3 1 1 2 7
部分型房室中隔欠損 以前は部分型心内膜欠損と呼んでいました. 8 9 10 15 42
完全型房室中隔欠損 以前は完全型心内膜欠損と呼んでいました. 19 10 17 23 69
房室中隔欠損+その他 房室中隔欠損に肺動脈狭窄などをともなう例. 2 1 3 11 17
心室中隔欠損 小児の心臓手術でもっとも多い病気です. 155 144 162 169 630
 +肺動脈狭窄 心室中隔欠損に肺動脈狭窄をともなう例. 6 1 3 2 12
右室二腔症 多くは心室中隔欠損もともないます. 11 7 9 12 39
バルサルバ動脈瘤 1 0 0 0 1
ファロー四徴症 58 30 47 58 193
肺動脈閉鎖兼心室中隔欠損 主要体肺動脈側副血管(MAPCA)をともなうことも多い. 6 18 16 23 63
両大血管右室起始 18 19 36 41 114
大血管転位 大血管転位のみの例. 16 13 18 23 70
 +心室中隔欠損 大血管転位に心室中隔欠損を伴う例. 6 2 9 9 26
 +心室中隔欠損,肺動脈狭窄 大血管転位に心室中隔欠損と肺動脈狭窄を伴う例. 3 3 7 3 16
修正大血管転位 心室中隔欠損や肺動脈狭窄をともなうことも多い. 9 6 7 5 27
総動脈幹 2 2 6 8 18
単心室 下記の三尖弁閉鎖,左心低形成以外の単心室例.多くの無脾症,多脾症が含まれます. 40 48 88 104 280
三尖弁閉鎖 15 16 17 12 60
左心低形成症候群 9 22 53 52 136
大動脈弁狭窄/逆流 狭窄,逆流の両方をともなうこともあります. 11 10 23 31 75
僧帽弁狭窄/逆流 狭窄,逆流の両方をともなうこともあります. 10 15 13 19 57
エプスタイン病 6 12 13 8 39
冠動脈疾患 BWG症候群などの冠動脈起始異常や冠動静脈瘻などが含まれます. 3 1 2 9 15
他の心大血管疾患 14 8 11 21 54
再手術 心室中隔欠損 3 0 5 8 16
再手術 肺動脈狭窄 14 6 17 14 51
再手術 肺動脈導管置換 最近は,根治術後の成人例が増えてきました. 6 12 16 26 60
再手術 その他 16 16 54 88 174
合計 613 567 878 987 3045

表3.疾患別の非開心術件数
表3は非開心術の、各疾患別の5年毎の手術件数です。
実際には複数の心臓病が合併することはよくありますが、主たる疾患名で分類(重複カウントはなし)して表示しています。
疾患名 00-04年 05-09年 10-14年 15-19年
動脈管開存 心カテーテル治療例数はカテーテル治療のページへ. 28 25 13 17 83
大動脈縮窄 大動脈縮窄のみ. 4 6 0 0 10
 +心室中隔欠損 大動脈縮窄に心室中隔欠損をともなう例. 7 6 3 3 19
 +その他 大動脈縮窄に両大血管右室起始,大血管転位,単心室などをともなう例. 4 7 2 4 17
大動脈弓離断 大動脈弓離断のみ. 0 0 0 0 0
 +心室中隔欠損 大動脈弓離断に心室中隔欠損をともなう例 5 4 3 3 15
 +その他 大動脈弓離断に両大血管右室起始,大血管転位,総動脈幹などをともなう例. 1 0 2 0 3
血管輪 重複大動脈弓など. 0 0 1 0 1
肺動脈閉鎖 純型肺動脈閉鎖ともいいます. 6 11 10 7 34
完全型房室中隔欠損 以前は完全型心内膜欠損と呼んでいました. 15 12 19 18 64
房室中隔欠損+その他 房室中隔欠損に肺動脈狭窄などをともなう例. 3 1 2 2 8
心室中隔欠損 小児の心臓手術でもっとも多い病気です. 15 14 9 20 58
 +肺動脈狭窄 心室中隔欠損に肺動脈狭窄をともなう例. 0 1 1 0 2
ファロー四徴症 24 12 18 13 67
肺動脈閉鎖兼心室中隔欠損 主要体肺動脈側副血管(MAPCA)をともなうことも多い. 14 31 11 5 61
両大血管右室起始 15 12 12 13 52
大血管転位 大血管転位のみの例. 1 0 1 0 2
 +心室中隔欠損 大血管転位に心室中隔欠損を伴う例. 1 0 1 0 2
 +心室中隔欠損,肺動脈狭窄 大血管転位に心室中隔欠損と肺動脈狭窄を伴う例. 3 1 2 2 8
修正大血管転位 心室中隔欠損や肺動脈狭窄をともなうことも多い. 8 3 7 3 21
総動脈幹 0 0 0 4 4
単心室 下記の三尖弁閉鎖,左心低形成以外の単心室例.多くの無脾症,多脾症が含まれます. 15 19 48 20 102
三尖弁閉鎖 11 6 5 7 29
左心低形成症候群 3 20 21 23 67
エプスタイン病 0 2 0 1 3
冠動脈疾患 BWG症候群などの冠動脈起始異常や冠動静脈瘻などが含まれます. 0 1 0 0 1
他の心大血管疾患 2 10 9 3 24
再手術 その他 2 3 9 8 20
合計 185 208 209 177 779

表4.最近10年間の主な術式別の手術数と成績
(実際には下記の各術式を複数行うことはよくありますが、集計上いずれかの主たる術式1つに分類しています。)
表4は主な術式別の手術件数です。重症で複雑な心疾患の割合が多いこと、このため難易度の高い手術が多いことが当院の特色です。
手術名 補足 手術件数 手術死亡数
体肺動脈短絡術 シャント,BTシャント術ともいいます. 165 0
肺動脈絞扼術 バンディング手術ともいいます. 204 0
グレン手術 両方向性グレン手術ともいいます. 102 1
Damus-Kayes-Stansel手術 27 0
肺動脈再建・形成術 39 0
右室流出路形成術 45 0
ラステリ型手術 54 1
動脈スイッチ手術 ジャテーン手術ともいいます. 71 1
心房スイッチ手術 1 0
ダブルスイッチ手術 6 0
冠状動脈起始異常手術 13 0
冠状動脈瘻手術 2 0
フォンタン手術 TCPC手術も含まれます. 103 0
ノルウッド手術 主に左心低形成症候群に対する手術です. 48 4
左側房室弁形成術 主に僧帽弁です. 71 0
左側房室弁置換術 主に僧帽弁です. 22 1
右側房室弁形成術 主に三尖弁です. 44 0
右側房室弁置換術 主に三尖弁です. 6 0
共通房室弁形成術 単心室例の弁です. 28 0
共通房室弁置換術 単心室例の弁です. 6 0
大動脈弁上狭窄手術 17 0
大動脈弁下狭窄手術 24 0
大動脈弁形成術 大動脈交連切開術,オザキ手術など. 23 0
大動脈弁置換術 18 0
大動脈弁輪拡大術 今野手術など. 6 0
大動脈基部手術 デービッド手術などが含まれます. 11 0
ロス手術 3 0

表5.年齢別の合計件数
表5は、年齢別の手術数と成績です。
年齢 2010?2014年 2015?2019年
手術件数 手術死亡数 手術死亡率 手術件数 手術死亡数 手術死亡率
開心術 新生児(生後28日以下) 105 3 2.9 % 131 3 2.3 %
乳児(生後1ヵ月?1歳未満) 301 4 1.3 % 372 1 0.3 %
1歳?17歳 390 0 0.0 % 400 0 0.0 %
18歳以上 82 1 1.2 % 84 1 1.2 %
全年齢 878 9 1.0 % 987 5 0.5 %
非開心術 新生児(生後28日以下) 108 0 0.0 % 95 0 0.0 %
乳児(生後1ヵ月?1歳未満) 94 0 0.0 % 76 0 0.0 %
1歳?17歳 7 0 0.0 % 4 0 0.0 %
18歳以上 0 0 2 0 0.0 %
全年齢 209 0 0.0 % 177 0 0.0 %
合計
(開心術+非開心術)
新生児(生後28日以下) 213 3 1.4 % 226 3 1.3 %
乳児(生後1ヵ月?1歳未満) 395 4 1.8 % 448 1 0.2 %
1歳?17歳 397 0 0.0 % 404 0 0.0 %
18歳以上 82 1 1.2 % 86 1 0.9 %
全年齢 1087 9 0.8 % 1164 5 0.4 %
(手術死亡: 手術後30日以内の死亡)

全国の施設の集計より得られた平均値より、手術死亡率、手術関連死亡率とも低い数値になっています。すなわち、重症度を加味して統計的に推測された計算値よりも、当院の実際の死亡率は低い(予測死亡率よりも実際の死亡率が低い)結果となっていました。

もう少し詳しく知りたい方のために

手術件数の表の見方
心臓血管手術件数の表を正しく理解するためには、まず心臓血管手術の大まかな分類について理解する必要があります。

心臓血管の手術の分類の1つに、「開心術」と「非開心術」という分け方があります。
開心術:
読んで字のごとく、心臓(大動脈も含みます)を開ける手術で、そのような手術の場合は、ほぼ必ず人工心肺(体外循環ともいいます)という器械を使用するため、“人工心肺を使用する手術”と同じ意味になります。
非開心術:
開心術でない手術、なので、“人工心肺を使用しない手術”ということになります。

別の分類では、「根治術」と「姑息術」という分け方もあります。

根治術:
根治、すなわち、正常と同じような循環にする手術をいいます。
姑息術:
姑息的な手術、すなわち、最終的には根治術を目指すが、全身の状態や体格、手術の負担を考慮して、より負担が少ないような、あるいは根治術のための準備として行う、一時的な対処を目的とした手術をいいます。
大まかな手術の分類
開心術 非開心術
根治術 心室中隔欠損孔閉鎖術
動脈スイッチ手術
など
動脈管閉鎖術
血管輪解除術
など
姑息術 グレン手術
ノルウッド手術
など
体肺動脈短絡術
肺動脈絞扼術
など
多くの手術件数の分類は、開心術と非開心術に分類して表示されますので、上記の表もそれに基づいています。

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