心房中隔欠損のカテーテル治療
愛知県の小児科認定施設 400例の治療実績(成人含)
経皮的心房中隔欠損閉鎖術(ASO)は1995年 に発売され、日本で保険診療に承認されたのは2006年です。当院では2007年より施設認定を受けて、愛知県・周辺地域の心房中隔欠損(ASD)の診療に携わってきました。小児循環器科でありますが、この治療は小児から高齢者の方まで広く対応しています。近隣施設と連携し、多くの地域の患者様に治療を提供しています
ASOは、ASD治療の一選択肢として確立した治療になりました。しかし、認定医・認定施設で行う必要があります。多くの患者様の選択肢になるよう、近隣施設の先生方との連携に力を入れています。直近3年間にご紹介いただいた施設一覧
2016年に当院指導医による指導のもと、県内2施設で認定がおりました。
名古屋第二赤十字病院 循環器内科
名古屋ハートセンター 循環器内科
治療適応を判定するため、検査入院が必要です
この治療ができるか否かは、欠損孔の大きさだけでなく、その形状や周りの構造物との関係などが重要となります。詳細な形態評価を行うには、経食道心エコー検査が必要となります。この検査は、胃カメラのように口からプローベを飲み込んでもらい行うものです。当院では、検査の適応基準を体重15kg以上と定め、点滴からの鎮静薬投与で睡眠下におこなっています。>>検査入院の流れを知りたい方はこちら
前医で一通りの検査が行われている場合でも、判定不十分と判断したときは再検査をしています。
以前検査をしてカテーテル治療可能と判定されていても、成長した・判定基準が変化したなどの理由から再検査を行うことはあります。これは安全な治療のために当科が徹底していることですので、ご了承ください。
さまざまな理由で経食道心エコーができない方もおられます。そんな患者様にも対応すべく、血管内エコーや心臓MRIといった他の技術も用意しております。検査ができないとあきらめずに、一度ご相談下さい。
乳幼児は、成長を待つことができるか判定します
この治療は、体重・体格が必要なので最低でも4~5歳まで待つことになります。そこまで安全に待てる心臓なのか、心房中隔欠損以外の心疾患を合併していないか、通常の経胸壁心エコーなどを使って外来で評価をしています。外科手術との優劣には、個人差があります
欠損孔は一人一人違います。カテーテル治療に適した孔とそうでない孔がありますので、経食道心エコーをおこなった上で個別相談としています。検査結果を持ち帰って紹介先の先生と改めてご相談いただいたり、心臓外科医の説明外来を紹介したりすることも行っております。率直なご希望をお伝えください。治療の具体的な内容について
月曜日に治療の、6日間入院を基本としています。小児循環器医師より直接口頭で説明をしています。
>>治療入院の流れを知りたい方はこちら
機器と技術は日々進化しています
2016年2月から、Occulutec Figulla FlexⅡ Occluderが日本でも認可され、従来のASOでは難しかった上位欠損孔などへの活用がすすんでいます。当院でも、その有用性と安全性を確かめながら少しずつ適応を拡大しています。事前に詳細な内容を知りたい方へ
- 日本小児循環器学会カテーテル治療の一般向け解説
- 日本小児外科学会外科治療の一般向け解説
- 成人先天性心疾患学会(JSACHD)成人患者の方のQ&A
- 日本心臓財団一般的な心臓病の解説です
- ST.JUDE MEDICAL社閉鎖栓の輸入販売元の会社です。ASOを絵で説明しています。
- 日本ライフライン株式会社閉鎖栓の輸入販売元の会社です。FSOを絵で説明しています。
- 東京女子医科大学病院心臓病センター説明用のパンフレットPDFがあります
- 名古屋第一赤十字病院心臓血管外科MICS手術の説明と動画