診療・各部門
中京病院ではチーム医療の一環として、2003年に栄養サポートチーム(NST=Nutrition Support Team)を発足し活動しています。
栄養について
栄養状態を良好に保つことは、治療の上でとても重要です。栄養状態が悪いと、どれだけ治療してもなかなか回復できないばかりか、感染症や合併症など余計な病を起こし易くなります。そのため患者さんの栄養状態を把握して、適切な栄養が摂れるようにすることで、全身状態が改善していくようNSTが支援しています。
NSTの構成
多職種で行っていくPotluck Party Method (持ち寄りパーティー方式; 知識・知恵・技術・.力を持ち寄る)がNST活動の最大の良さです。 中京病院のNSTは、医師・看護師・薬剤師・管理栄養士・臨床検査技師・理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・歯科衛生士・調理師より構成されています。 構成の詳細はこちら(PDF)
NSTの活動内容
- 栄養評価
- 栄養ルート(経口or 経腸 or経静脈)の選定
- 栄養剤とスケジュールの設定
- NST回診でのフォローおよび栄養管理法の再検討
特に注目している患者さん
何らかの理由で長期(2週間以上)食べられない患者さん
「治療上ホントに絶食が必要なのか」を再検討して、過不足なく栄養が摂れているかを評価していき、主治医とともに治療に関わります。
胃ろうを考慮する患者さん
安定した栄養管理、介護、療養ができるようにするための一つの医療として、胃ろう造設があります。今後の方向性を家族とも十分話し合い、適応を検討することが第一に必要です。NSTが介入することで、胃ろう造設が慎重かつ迅速に運営されるシステムを構築しています。 詳細はこちら(PDF)
下痢が続く患者さん
下痢は、水分が過剰な軟便や水様便が排泄される状態です。下痢の水分には栄養成分も含まれているので、栄養不良になりがちです。下痢の原因には、消化不良、細菌やウイルスによる感染、炎症性腸疾患などがあり、それぞれ対処法が異なります。下痢便を顕微鏡で調べることで対処法を提案します。 詳細はこちら(PDF)
広範囲熱傷の患者さん
中京病院救急科は広範囲熱傷を積極的に治療しており、各地から多くの患者さんが搬送されてきます。広範囲熱傷は、体液喪失によるショック、二次感染、呼吸障害、腎障害などを起こしやすく厳重な管理が必要です。栄養障害に関してNSTが介入し状態改善に努めています。
報告・発表
- チーム医療の円滑な運用をめざして 臨床検査技師 石川実枝子 [ 2013日本食品安全協会会報 (投稿)Vol8(4)]
- 身体組成分析による基礎代謝量算出の試み 臨床検査技師 石川実枝子 [ 2014 第29回日本静脈経腸栄養学会 ]
- 腸内細菌叢の評価による下痢改善への取り組み 臨床検査技師 石川実枝子 [ 2015 第30回日本静脈経腸栄養学会 ]
- NSTにおける回診のシステム化に対する取組み~円滑な胃瘻造設の試み~ 管理栄養士 水谷規子 [ 2015 第30回日本静脈経腸栄養学会 ]
- NSTが関わる高齢者の栄養 [ 2015 第15回愛知NST研究会 教育講演 ]
- 食事に関するケア-リンクナースの教育- 摂食・嚥下障害看護認定看護師 小久保佳津恵
- 食形態の工夫 -嚥下調整食への取り組み- 調理師 山田敏夫
- NSTがサポートする胃瘻造設-依頼のシステムと現状- 管理栄養士 水谷規子
- 地域連携への取り組み -課題と今後の展望- 言語聴覚士 萩野未沙
- 乳酸発酵成分配合流動食による下痢改善効果について」 臨床検査技師 石川実枝子 [ 2015 第15回愛知NST研究会(口演)]
- 栄養管理における養蚕欠乏-当院の現状-」臨床検査技師 石川実枝子 [ 2016 第31回日本静脈経腸栄養学会 ]
施設認定
- 日本静脈経腸栄養学会「NST稼働施設」
- 日本栄養療法推進協議会「NST稼働施設」