診療・各部門
頭頚部がんとは
耳鼻咽喉科・頭頸部外科・歯科口腔外科で治療する領域として「頭頸部がん」領域があります。わが国の頭頸部がんの全がんに占める割合としては約5%と頻度は多くないですが、解剖学的特長から、頭頸部がんを発症した患者さんは嚥下機能や発声、呼吸など様々な面で生活の質を低下させるため、個々の患者さんに応じて適切な治療方針を計画することが重要となります。主な頭頸部がんの部位別としては①口腔(舌 歯肉 口腔底 頬粘膜 口蓋)②咽頭(上咽頭 中咽頭下咽頭)③喉頭 ④鼻副鼻腔 ⑤唾液腺 ⑥甲状腺 があります。
頭頚部がんに関わる当院のスタッフ・関連施設
頭頸部がんに関わる 耳鼻咽喉科・頭頸部外科スタッフ |
耳鼻咽喉科・頭頸部外科医師 3名 |
耳鼻咽喉科専門医 2名 | |
頭頸部がんに関わる 歯科口腔外科スタッフ 関連施設 |
歯科口腔外科医師 3~5名 |
日本口腔外科学会 指導医1名 専門医1名 | |
がん治療認定医 2名 |
歯科口腔外科におけるがん治療
歯科口腔外科では、舌・歯肉・口蓋などの口腔や口唇などの顔面に発生したがん(口腔がん)を治療します。口腔は咀嚼、嚥下といった食事に関する機能や、会話などの言語機能を有するため、がん自体やがんの治療に伴いさまざまな障害が発生します。当院における口腔がん治療方針はまず第一に根治切除を目指します。進行例には放射線化学療法を併用して集学的アプローチを行います。口腔だけでなく顔面や頸部に病変が波及しますので、咀嚼や嚥下さらには審美性の問題が発生します。形成外科や耳鼻科のご協力をいただきながら機能回復を行います。また、口腔がんの早期発見および早期治療開始をめざし、口腔ドックなどの健診を行っています。
耳鼻咽喉科・頭頸部外科におけるがん治療
耳鼻咽喉科・頭頸部外科では咽頭がん、喉頭がん、鼻副鼻腔がん、唾液腺がん、甲状腺がんの治療を担当します。頭頸部がん治療の選択肢としては①手術治療 ②化学放射線治療が挙げられます。唾液腺がん、甲状腺がんについては基本的には手術治療が主体となります。当院では手術治療が第一選択となりうる患者さんに対しては名古屋大学耳鼻咽喉科との連携を図り、手術治療を提供してまいります。手術適応外の進行癌患者さんや、手術を希望しない患者さんに対しては化学放射線治療を行います。個々の患者さんの病期や全身状態、希望に応じて充分な説明と協議を行い、適切な治療を提供しています。
放射線治療について
当院の放射線治療は、高精度な放射線治療である定位放射線治療・強度変調放射線治療(IMRT)が可能な施設です。腫瘍に高線量を集中させる一方で正常組織への線量を軽減させることができるため、従来の放射線照射よりも副作用を軽減しつつがんの治療効果を高めることが可能です。当院は耳鼻咽喉科・頭頸部外科・歯科口腔外科と放射線治療科と緊密に連携をとり、十分な治療効果のある放射線治療を提供していきます。