経皮的腎尿管砕石術(PNL:Percutaneous nephrolithotripsy)

診療・各部門

概要

結石のサイズが大きく(おおよそ20mm以上)、自然排出が困難であり、経尿道的腎尿管砕石術(TUL)でも除去が困難なことが予測される場合に行います。
背中から超音波で観察しながら腎臓内まで針を刺し、針穴を6-10mmほどまで広げ筒を挿入します(腎瘻造設)。特殊な内視鏡(腎盂鏡)をその筒から腎臓内に入れ、腎臓や尿管の結石をレーザーや専用の装置で砕き、体外へ除去します。

手術の実際

全身麻酔で患者さんにはうつぶせの状態になっていただきます。
手術時間は3-5時間程度が一般的です。
結石のサイズが大きい場合、細菌が核となった感染結石、結石が硬い場合や砕石が難しい位置にある場合、出血が多く視野が悪い時などでは、腎瘻造設のみで1回目の手術を終了することや、複数回に分けて砕石や結石除去を行うこともあります。
手術後は作成した腎臓から皮膚の穴にカテーテルを留置します(腎瘻カテーテル)。結石が摘除されているのを確認後、退院前に抜きます。
合併症としては、腎臓が裂けて出血がおおくなることで輸血を必要とすることもあります。手術後の尿路感染などがあります。

入院

前日(または前々日)から入院していただき、手術後は一晩ベッドで安静にしていただきます。
術後経過が良ければ手術翌日から歩いていただき、食事も摂っていただきます。
入院期間は1回のみの手術であれば7-10日間程度です。
2回目以降の手術が必要な場合は、1週間程度の間隔をあけて行います。

経皮・経尿道同時内視鏡手術(ECIRS:Endoscopic combined intrarenal surgery, TAP:TUL assisted PNL)

結石のサイズが大きい場合や、複数カ所に存在する場合は、前述のTULと上記のPNLを組み合わせて同時に行う経皮経尿道同時内視鏡も行っております。全身麻酔で行います。
患者さんにはTULの姿勢に加えて、結石が存在する側を上げるように体をひねった状態になっていただいて手術を行います。