膀胱がん

診療・各部門

膀胱がんとは

 膀胱がんは、膀胱から発生する悪性腫瘍です。最初は、頻尿や排尿痛といった自覚症状を伴わない血尿(無症候性血尿)が唯一の症状であることが多いです。男性・高齢者に多く、男性が膀胱がんになる割合は女性の約2~3倍といわれています。また危険因子としては喫煙が有名で喫煙者は膀胱がんになる割合が4~5倍高くなるという報告もあります。

当院における膀胱がんの診断と治療

 膀胱がんが疑われた場合、超音波検査、尿細胞診、排泄性尿路造影、膀胱鏡検査などを行います。これらの検査により膀胱がん、あるいはその疑いが強いと判断された場合には、入院のうえ経尿道的膀胱腫瘍切除術(TUR-BT)を行います。この手術で切除したものを詳しく検査し、膀胱がんであるかどうか、膀胱がんならその腫瘍の深達度(根っこの深さ)と悪性度などを確認します。膀胱は内から外に向かって粘膜・粘膜下層・筋層・周囲脂肪という構造になっており、一般に、粘膜下層までに留まっているがんは内視鏡的に切除可能ですが、筋層にまで及んでいるものは進行がんであるため、追加の根治的治療が必要とされています。進行がんでは、より治療効果を高めるために、手術・放射線・抗がん剤を組み合わせた治療を行う場合もあります。なお、膀胱全摘術では同時に尿路変向手術※1を必要とします。 膀胱がんは早期にTUR-BTで治療された場合でも再発することが多く、再発率を下げるため、手術後に膀胱内薬物注入療法を行うことがあります。また治療後も定期的な検査を行い、再発の早期発見に努めます。早期がんの中にも悪性度が高いものがあり、そのような場合には、救命のために早期がんであっても膀胱全摘術を行うこともあります。 ※1 尿路変向術とは尿の排出路を作り変える手術で、代用膀胱、回腸導管、尿管皮膚ろうなどがあります

当院の膀胱がん治療の実績(2021年)

 (経尿道的手術を含んで)145例でした。

トピックス

 当科では、個々の患者に応じてエビデンス(科学的根拠)に基づいた適切な治療を行うことを基本とし、患者さんの希望や社会的背景なども考慮し、患者さんおよびご家族がより満足して頂けるように心掛けております。他院からの紹介や他院への逆紹介、セカンドオピニオンなども、ご希望があれば遠慮なくお申しつけください。