診療・各部門
希少がんについて
希少がんとは、その頻度が人口10万人あたり6例未満の「まれ」な「がん」、数が少ないがゆえに診療・受療上の課題が他に比べて大きいがん種のことと定義されます。症例数が非常に少ないために、医師の診療経験・教育機会の不足、治療開発が進まないなどの理由で、一般的ながんに比べて治療成績が悪いことが大きな問題となっています。
当院ではこうしたがん種に対しては、個々の専門科のカンファレンスだけでなく、必要に応じて関係すると思われる多職種のカンファレンス(キャンサーボード)に諮り、治療方法の検討を行っています。一方で、がんゲノム医療を受ける機会は、希少がんであってもほかのがん患者さんと平等に与えられています。むしろ、標準治療が十分に確立していない希少がん・希少サブタイプの患者さんこそ、がんゲノム医療の恩恵を受けられるのではないかという考えもあります。当院ではがんゲノム外来にて「がん遺伝子パネル検査」を実施しています。これらの検査結果やキャリア検討結果によっては、地域医療連携・相談室を利用して都道府県がん診療連携拠点病院(愛知県がんセンター)や名古屋大学医学部附属病院(希少がんセンター)とも連携をとって、患者さんに最善の診療をもたらせる様につとめています。