診療・各部門
褥瘡ケアチーム
褥瘡ケアチームのご紹介 ~褥瘡ゼロを目指して~
【目的】
褥瘡対策委員会は、における褥瘡対策を討議・検討し、その効率的な推進を図ることを目的としています。
【褥瘡対策委員会メンバー構成】
形成外科医、皮膚科医師、薬剤師、作業療法士、管理栄養士、看護師、皮膚・排泄ケア認定看護師
【褥瘡対策委員会の役割】
褥瘡対策委員会は、に入院する全ての入院患者さんに対して、褥瘡予防プログラムマニュアルに沿った計画が実施されることを支援します。
【患者さんへ】
褥瘡って何?
一般には「床ずれ」「寝だこ」などと呼ばれ、寝たきり状態になるとできてしまうものと言われてきました。現在では発生する原因などの研究が進み、日本褥瘡学会は「身体に加わった外力は骨と皮膚表層間の軟部組織の血流を低下、あるいは停止させる。この状況が一定時間持続されると組織は不可逆的な阻血性障害に陥り褥瘡となる。つまり、圧力や剪断力といった外力が直接の原因であり、虚血性の壊死を助長する要因として、低栄養や皮膚湿潤がある。」と言っています。つまり皮膚が布団やベッド、椅子などとの間に挟まることで、血の巡りが悪くなり皮膚組織が死んでしまった状態ということです。褥瘡は重症になると骨が見えてしまう程になることもあり、予防することがとても大切です。 褥瘡対策委員会は他職種で構成されており、褥瘡の予防と治療を支援しています。
【活動内容】
- 褥瘡回診
- 各病棟で発生した、又は持ち込まれた褥瘡について、形成外科、皮膚科医師、皮膚・排泄ケア認定看護師、管理栄養士が1回/週褥瘡回診を実施します。また褥瘡保有患者さんおよび褥瘡発生しやすい患者さんには、それぞれ診療計画を立案し実施しています。 (褥瘡回診の写真)
- 体圧分散マットレスの整備
- 褥瘡を予防、治療するには体の各部分にかかる圧力を下げる必要があります。それには体圧分散マットレスと呼ばれる柔らかいマットレスを使用する必要があります。 当院では663床あるベッドのうち約600床は褥瘡予防のマットレスを使用しています。また特に褥瘡ができやすい患者さんや重度の褥瘡を保有している方には、高機能エアーマットレスを使用できる体制を整えています。
- NSTとの連携
- 褥瘡の予防と治療には患者さんの栄養状態と密接なかかわりがあります。栄養状態を良くするために、褥瘡回診への栄養士の参加とNST(栄養サポートチーム)と連携をしています。
- 地域連携
- 近年入院期間の短縮化が進み、褥瘡を保有したまま在宅や近隣の施設へ退院される患者さんが増加しています。当院では退院後のフォローアップとして形成外科への受診や、皮膚・排泄ケア認定看護師による訪問看護との連携を行っています。形成外科への受診時にも、必要時皮膚・排泄ケア認定看護師が同席し、体圧分散寝具の選択やケア方法の指導をさせていただきます。
【活動実績】
2007年からの院内褥瘡発生率
当院の褥瘡発生率は徐々に低下しています。褥瘡発生率の低下を目標に、院内で看護師を対象に褥瘡の勉強会を行なっています。