がんに関する治験

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がんの治験

 当院で2021年に行ったがんの治験は「がん性皮膚潰瘍に対する外用薬の第Ⅰ相試験」の1試験で、先発品から治験薬に切り替え、安全性を比較検討する試験でした。この治験は依頼者より話が来てから準備期間も登録期間も非常に短かったことや、参加基準に生存期間や潰瘍面積があったのですが、患者さんは化学療法を行っており、潰瘍面積が日々変わる中、大きすぎても小さすぎても組み入れられないため、治験開始前に手順等を医師ともよく確認、相談できたことが功を奏し、短期間に契約症例数の2名を組み入れることができました。患者さんに治験参加の検討をいただくにあたって、投薬・観察期間が2週間という短期間の中で、4回の来院が必要であること、第Ⅰ相試験ということもあり、その中で薬物動態採血(1日に4回採血が必要)が2日間計画されており、採血回数がとても増えること、毎日治験薬を2回塗布していただき、患者日誌への記載があることなどを、ICの際丁寧に説明しました。2名ともご自分の体調が良くないなか、治験の参加を決めていただき、CRCとしても治験薬の効果への期待が高まりました。患者さん方には治験期間中、投薬、日誌の記載、採血などすべてしっかり協力いただきました。またこの薬物動態の採血をするにあたり、1名は化学療法を行いながら実施する患者さんだったため、薬物療法センターのスタッフにも採血等の依頼などをしましたが、快く協力いただき、何の問題もなく実施できたことは、大変心強く思いました。また1名の患者さんはご自分で来院できない状況でご家族の方にもご協力いただきました。患者さんやご家族、医師、看護師、CRC等多くのスタッフの協力で実施された、この治験薬が承認され、今後、同じ症状を持つ患者さんに使ってもらえるようになることを願います。

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