産婦人科

診療・各部門

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産科婦人科について

当科では、良性の婦人科疾患で手術が必要な場合、産婦人科内視鏡技術認定医を中心に、腹腔鏡下手術やロボット支援手術を行っています。悪性腫瘍(子宮がん、卵巣がんなど)の治療については、ガイドラインに基づいた標準治療を提供します。また、産科では周産期専門医を中心に、正常な妊娠や分娩はもちろん、合併症を伴う妊娠や、小児循環器科と連携して胎児の先天性心疾患を持つ妊娠の管理も行っています。不妊治療ではタイミング療法や人工授精が可能です。また過多月経に対する子宮内膜焼灼術(マイクロ波子宮内膜アブレーション)を行うことができます。

対象疾患

  • 婦人科悪性腫瘍(子宮頚がん、子宮体がん、卵巣がんなど)
  • 正常妊娠、母体合併症妊娠、胎児心疾患合併妊娠、双胎妊娠
  • 異所性妊娠(子宮外妊娠)、流産
  • 子宮良性疾患(子宮筋腫、子宮腺筋症、子宮内膜症など)
  • 卵巣良性疾患(チョコレート嚢胞、成熟奇形腫など)
  • 骨盤臓器脱(子宮脱、膀胱瘤、直腸瘤など)
  • 過多月経、月経困難症、骨盤内感染症、更年期障害など

婦人科腹腔鏡手術について

当科では、

  • 子宮筋腫や子宮腺筋症といった良性子宮疾患に対する腹腔鏡下子宮全摘出術
  • 子宮筋腫に対する腹腔鏡下子宮筋腫核出術
  • 良性卵巣腫瘍に対する腹腔鏡下付属器切除術・卵巣腫瘍核出術
  • 異所性妊娠や卵巣腫瘍茎捻転に対する緊急腹腔鏡下手術

などを行っています。

婦人科悪性腫瘍診療について

ガイドラインに基づいた標準治療を基本としています。

子宮頸がんは、円錐切除術や広汎子宮全摘出術などの手術療法、放射線治療を基本とし、進行・再発した場合には従来の抗がん剤治療に加えて2022年9月に適応となったペムブロリズマブや、2022年12月に適応となり2023年4月から使用可能となったセミプリマブなどを用いて治療にあたります。

子宮体がんは、手術療法を基本とし、抗がん剤治療や2021年12月に適応となったレンバチ二ブ、ペムブロリズマブ療法などを行います。

卵巣がんは、初期の段階では手術療法を、進行した場合でも可能な限り腫瘍の残存をなくすよう手術療法を行います。手術による完全切除が困難な場合には腹腔鏡手術や針生検により侵襲の少ない方法で診断をつけ、早期の抗がん剤治療につなげます。進行して発見されることが多い卵巣がんですが、PARP阻害薬の登場などにより治療効果の改善が期待されています。また遺伝性乳癌卵巣癌症候群(HBOC)の患者さんで適応がある場合には予防的卵巣卵管切除術(RRSO)が施行可能です。

当院は地域がん拠点病院として専門的ながん診療を行っています。2021年10月にはがんゲノム医療連携病院にも指定され、遺伝子パネル検査が当院への通院のみで施行可能で、婦人科でも多くの患者さんに受けていただいています。また手術室や麻酔科との連携により、必要な場合には短い待機日数で手術を行うことができます。

NIPT外来

2024年10月よりNIPTを開始しました。

対象となる方
妊娠10週0日~13週6日までで、以下に該当する方

  • 胎児超音波検査や母体血清マーカーで胎児の染色体数の異常の可能性を指摘された場合
  • 染色体数的異常のあるお子さんを出産あるいは妊娠したことのある場合
  • 両親のいずれかが均衡型ロバートソン転座を持っていて、胎児が13トリソミーあるいは21トリソミーになる可能性のある場合
  • 高齢出産(出産時に35歳以上)の方

上記以外で希望される方や、染色体異常への不安の強い方は、カウンセリングの上で検査を受けて頂くことができます。

対象疾患
13トリソミー、18トリソミー、21トリソミーの3疾患のみ

費用

カウンセリング料金 7,000円
NIPT検査費用  77,000円
結果説明  6,000円
合計  90,000円(税別)

実施日時
月・金曜 14時から、14時半から 各30分

予約方法

  • 当院通院中の妊婦さんは、10~13週の外来通院時に検査ご希望の旨をお伝え下さい。
  • 他院通院中の妊婦さんは、通院中の病院に当院病診連携室経由で予約を取って貰ってください(病診連携室へFAXをお送りください。FAX番号;052-691-6053)。

 まだ産婦人科に受診していない方は、当院或いは近くの病院にまず受診して下さい。

注意点

  • 当院は日本医学会の出生前検査認証制度等運営委員会において、NIPTを実施する連携施設として認定されています。
  • 当院の基幹病院は名古屋大学医学部附属病院(名大病院)です。このため検査結果が判定保留あるいは陽性であった場合、名大病院でのカウンセリング及び羊水検査を受けて頂くことが必要です。
  • 保険適応外検査のため費用はすべて自費です。また、通常の妊婦健診とは異なる受診となります(同時に妊婦健診を行うことは出来ません)。
  • 妊婦さんとパートナー(胎児にとっての遺伝学的父親)が同席してカウンセリングを受けて頂くことが、検査実施の必須条件です。

トピックス

子宮頚部レーザー蒸散術

2023年5月より、当院でも子宮頸癌の前癌状態である子宮頸部上皮内腫瘍(CIN)に対するレーザー蒸散術が施行可能となりました。子宮頸癌検診で異常を指摘され、コルポスコピー下生検による組織診断でCIN3(高度異形成、上皮内癌)と診断された方で、今後の妊娠を希望している場合などが対象となります。円錐切除術は妊娠する能力を残す手術ですが、子宮頸管の短縮により早産のリスクが上昇する可能性があります。レーザー蒸散術は子宮へのダメージを最小限にする治療法ですが、円錐切除と比較すると、正確な診断がつかない可能性があるという欠点もあります。そのため、患者さんと一緒に相談しながら最適な治療方針を決定します。

腹腔鏡手術中エコー検査

2023年1月より、腹腔鏡下手術中にポートから挿入して、おなかの中で直接子宮に当てるエコープローブを導入しました。腹腔鏡下子宮筋腫核出術で筋腫が多発している場合に使用し、筋腫の遺残を減らすよう努めます。

治療実績

手術件数(2022年)

開腹手術 件数
悪性疾患 子宮体癌 10
子宮頚癌 1
卵巣癌 5
その他 2
良性疾患 子宮全摘出術 6
子宮筋腫核出術 1
付属器摘出術 4
異所性妊娠 1
合計 30
腹腔鏡下手術 件数
腹腔鏡下子宮全摘出術 58
腹腔鏡下子宮筋腫核出術 3
腹腔鏡下仙骨腟固定術 8
腹腔鏡下腟断端挙上術 1
腹腔鏡下付属器切除術 23
腹腔鏡下卵巣腫瘍摘出術 8
腹腔鏡下異所性妊娠手術 2
その他 4
合計 107
件数
ロボット支援腹腔鏡下子宮全摘出術 6
件数
子宮鏡下手術 17
子宮内膜焼灼術 1
合計 18
腟式手術 件数
腟式子宮全摘出術+腟壁形成術 8
腟閉鎖術 1
円錐切除術 6
バルトリン腺嚢胞手術 3
子宮頚管縫縮術 2
合計 20
件数
帝王切開術 41

医師スタッフ紹介

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外来担当医表一覧

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