産婦人科(お産について)

診療・各部門

当院の特徴

当院は専門性の高い診療科を多く備える総合病院として、様々な合併症を持つ妊婦さんの周産期管理を行っています。その中でも最大の特徴は、小児循環器科との協力の元で胎児心疾患の周産期管理を行っていることです。(中京こどもハートセンター)
他にも特徴ある専門疾患センターと常時連携しており、腎疾患・移植腎合併妊娠の管理(腎臓病センター)、膠原病合併妊娠の管理(膠原病リウマチセンター)、母体心疾患合併妊娠の管理(成人先天性心疾患外来)などを行っています。

もちろん、地元の通い易い病院としても近隣にお住まいの妊婦さんに選んで頂いています。里帰り分娩も含め分娩予約に特に制限は設けておりません。お気軽に受診して頂ければ幸いです。

外来

外来診療は、午前中(9時〜12時半)は常勤医師による第1診と第3診(月〜金の毎日)および非常勤医師による第2診(火・木・金)で行っています。
午後(14時〜16時)は医師交代制の診療を一診で行っています。

外来担当医一覧

午前診療(09:00-12:30)

第1診
(一般診)
齊藤 鈴木 竹内 則竹 鈴木
第2診
(一般診)
休診 関谷 植草 休診 休診
第3診
(主に妊婦検診)
竹内 藤井 則竹 藤井 齊藤

妊娠判明から分娩予定日決定までの受診の方は、主に第1・2診で診察させて頂きます。(新型コロナウィルス感染対策として、患者さんの待ち時間・在院時間を短縮するべく努力しております。迅速な診療のため、担当医師のご希望に沿えない場合があることをご了承下さい。)
分娩予定日が決定され母子健康手帳が交付された後は、主に第3診で妊婦検診を行っていきます。

午後診療(14:00-16:00)

14:00-14:30 スクリーニング
検診
スクリーニング
検診
産褥検診 スクリーニング
検診
スクリーニング
検診
14:30-15:00 一般妊検
など
一般妊検
など
産褥検診 一般妊検
など
一般妊検
など
15:00-15:30 スクリーニング
検診
一般妊検
など
スクリーニング
検診
スクリーニング
検診
15:30-16:00 一般妊検
など
一般妊検
など
一般妊検
など
一般妊検
など

午後の診療の担当医師は毎日1名で、交代制です。表のように、スクリーニング検診・一般妊婦検診など・産褥検診の3種類に診療枠を分けています(スクリーニング検診については「妊婦検診」の項をご覧下さい)。
産褥検診は、小児科での新生児1ヶ月検診に連なる時間帯で行っています。 一般妊婦検診の診療枠は、午前中の時間帯に来院が難しい方にご利用頂いています。 (担当医師は交代制のため固定されません)

診療時間

初診 8:30~11:00
再診(予約のない方)8:00~11:30
休診日 土・日・祝・年末年始(12/29~1/3)

予約時間通りの診療に努めておりますが、状況により待ち時間が生じる事をご了承下さい。
また予約外で来院された患者さんは、多くの場合お待ち頂くことを予めご了承下さい。

分娩予約

当院での分娩をご希望の方は、妊娠20週までに分娩予約をお取り頂きます。
(20週以降に当院に紹介となった場合は、この限りではありません)。
妊娠12〜14週頃の産科外来受診の際に、ご希望の有無を確認させて頂きます。
現在当院では分娩予約数に制限を設けておりません。
安心・安全な妊娠期間を過ごせるように、他院分娩の場合も含め、出産場所は早期に決定し調整して頂くようにお願い致します。

里帰り出産について

新型コロナウィルスの流行以前は、里帰り分娩ご希望の方にも分娩予約のための受診をお願いしていましたが、現在は、通院中の病院からの紹介状を送信して頂くことで分娩予約をお取りしています。
里帰り後の当院の妊婦健診では、前の病院で検査されていなかった項目を自費で追加検査させて頂くことがあります。
名古屋市と連携のある市町村からの里帰りの場合は健診に公費券を使用できますが、連携がない場合はいったん自費でお支払いをお願いします。(その後の手続きに関しては、各自治体へご自身で確認をお願い致します。)
両親学級は、妊娠28週から33週まで対象月の第3月曜日(例外的に第1月曜日)に実施しています。当院受診前に受講いただくこととなるため、参加希望の方は、産婦人科外来へ連絡をお願いします。

【分娩予約と当院での初回健診までの流れ】
当院での出産希望が決定した時点で、産婦人科外来へ連絡をお願いします。
平日の午後2時~4時頃にご連絡ください。(午前は外来診療で混雑しています。電話対応にお時間を頂くため、ご協力お願いします)
午前中にお電話いただいた場合、掛け直ししていただくことがあります。

―以下の内容をお伝えください。―
氏名・生年月日・住所(お住まいの地域)・里帰り先の住所(地域)・当院通院歴の有無(診察券番号の有無)
出産予定日・妊娠出産歴・通院中の病院の名前と紹介状送付のタイミング


通院中の病院から1度目の紹介状を作成していただき、当院病診連携室経由で妊娠経過の送付をお願いします。
妊婦さんご本人様の連絡と通院中の病院からの紹介状送付が確認できた段階で、仮分娩予約とさせていただきます。(後日、健診で来院いただいた際に書類等の手続きをお願いします。)

妊娠経過が順調であれば、妊娠34週台までの里帰りをお願い致します。
※骨盤位妊娠(逆子)などで帝王切開が必要な方、その他妊娠経過での要経過観察の場合は、妊娠32週台までの里帰りをお願い致します。
妊娠32週(上記の方は30週)付近の妊婦健診時、再度通院中の病院からの紹介状作成をお願いしてください。
当院の妊婦健診予約は、紹介状をFAX送付いただき、電話連絡にて病診連携室経由で予約をお取りいただけます。妊娠34週台にはお越しください。
 ・仮分娩予約後、キャンセルされる方は電話連絡をお願いします。

妊娠健診

お住まいの自治体の保健所に妊娠届を提出すると、母子健康手帳と妊婦健診用公費券 が交付されます。以後はこの公費券を用いて妊婦健診を行いますので、母子健康手帳と公費券冊子の両方を必ずご持参下さい。(公費券をお忘れの場合は、自費でお支払いいただくことがあります。)
・妊婦健診は、当院分娩予定の方だけでなく、 他院分娩予定の方もお受けしています。
・健診では毎回、妊婦さんの血圧・体重測定・尿検査および胎児超音波検査を行います。

【妊婦健診時の流れ】
来院されたら、1階 再来機にて来院受付。
2階 血液尿検査受付にお越しいただき2階トイレで採尿し尿検査をしてください。
3階 産婦人科外来へお越しください。中待合にて、血圧・体重測定を行います。
尿検査、血圧・体重測定が済んだら、母子健康手帳と公費券冊子すべてを受付に提出して、外待合で健診までお待ちください。
時期に応じた必要な検査がある場合は、健診後にご案内し、検査を受けていただきます。(基本的には公費券に沿って血液検査や感染症検査を行います。)
その他、追加で必要な検査がある場合はその都度説明とご案内をします。
経膣分娩予定の方は、妊娠37週以降から内診があります。
妊娠38週からはNST(ノンストレステスト)で子宮収縮と胎児心拍の確認を行います。

<名古屋市妊婦健診公費券の例 20241月現在>

妊娠週数 健診・検査内容など

中京病院での追加健診内容

8〜10週 公費超音波、初期採血検査 心電図検査
12週 分娩予約案内、助産師初期面談
16週 通常健診のみ
20週 採血検査、公費超音波 スクリーニング 助産師中期面談
24週 通常検診のみ
26週 採血検査、公費超音波 両親学級案内
28週 採血検査 赤ちゃんに関する検査等の書類説明
30週 クラミジア 採血検査 スクリーニング 助産師中期面談
32週
34週 採血検査
36週 採血検査、膣培養検査
37〜39週 毎週健診 内診 38週~NST
40~42 1週間に2回健診

通常の妊婦健診に加えて、20週付近と30週付近に1回ずつ、30分ほど時間をかけて赤ちゃんの超音波検査を行います。普段の妊婦健診で見過ごされている異常が無いか、担当医師以外の医師の目でも確認するためのものです。
(スクリーニング健診:月14:00-14:30、火・木・金14:00-14:3015:00-15:30
妊婦健診の超音波検査装置には4Dエコーも備えられているので、赤ちゃんの向きなどの条件が合えば健診時に4Dエコーを行うことが出来ます(追加料金なし)。
また、妊婦健診の前後で、助産師面談もあります。わからないことや困っていることがあれば、医師、助産師・看護師にいつでもお声掛けください。

助産師面談(保健指導

妊婦健診で来院された際に、助産師と産婦人科外来で行います。
時期は、 初期(1216週)、中期(2024週)、後期(3034週)で 行っています。
妊娠期間を安心して過ごし、新しく家族を迎え、育児に向かっていけるように、妊婦さんとそのご家族に合わせた内容をお伝えします。
順調であれば、より良い妊娠期間となるようにサポートします。心配事やお困り事に対しては、共有させていただきながら、必要に応じて保健センターやその他の支援事業と連携を行っていきます。

このような内容をお話しします。
<妊娠初期>
妊婦健診の受け方(当ページ該当項目「妊婦健診」もご参照下さい)
妊娠中の生活、からだの変化、マイナートラブルについて
妊娠中の体重管理、歯科健診
妊娠中の異常と症状、病院への連絡方法(当ページ該当項目「妊娠中の異常」もご参照下さい)
<妊娠中期>
 赤ちゃん用品と入院必要物品
<妊娠後期>
娠後期に起こりやすい異常と症状
分娩入院の時期と連絡方法
(当ページ該当項目「陣痛が来たら:来院から入院・出産までの流れ」もご参照下さい)
分娩の経過について
帝王切開について
新生児に対して行う検査と申込書類について
その他、それぞれの妊婦さんやご家族の状況に応じた支援を行っています。

    すくすくクラスについて

    新型コロナウィルスの流行以前は「母親教室」の名称で行っていた、妊婦さんとパートナーの方に向けた妊娠・出産のためのクラスです。
    2023年4月より再開しております。
    毎月第3月曜日(祝日等の場合は第1月曜日)の13:3015:30に開催中です。
    対象者は、妊娠28週~33週までの初めての出産で経膣分娩予定の妊婦さんとそのご家族1名です。
    対象月や、詳細は妊婦健診時にご案内します。

    妊娠中の異常について

    症状と受診方法 妊娠初期のつわりに始まり、便秘や腰痛、そしてお腹の張りと出血など、妊娠中のトラブルは多岐に亘ります。その中で注意を要するのは腹痛と出血です。またごく稀ですが、まだ早い週数のうちに破水が起こることもあります。
    このような症状に際しては、早めにお電話など連絡を頂くようにお願い致します。 平日の日中と週末や時間外では対応部署が異なります。また週数によっても部署が異なっています。 下表を参照の上でご連絡下さい。

    <妊娠初期〜36週台までの方>

    平日(月〜金) 週末(土日)・祝祭日
    08:30〜17:15 産婦人科外来 救急外来
    17:15〜08:30 救急外来 救急外来

    <37週以降の方>

    平日(月〜金) 週末(土日)・祝祭日
    08:30〜17:15 産婦人科外来 27病棟
    17:15〜08:30 27病棟 27病棟

    病院の電話番号
    052-691-7151(代表)
    「産婦人科外来」あるいは「27病棟」へ繋いでもらって下さい。

    入院となる場合

    脱水を伴う重度のつわり(重症妊娠悪阻)、腹痛・定期的な子宮収縮・出血(切迫流産、切迫早産)、破水(早期破水、前期破水)などの症状は、すべて入院の対象となり得ます。
    診察により入院が必要と判断されたら、27病棟の産科ユニット内の病室に入院となります。
    これらの入院の際に、新型コロナウィルスの抗原およびPCR検査を行う場合があります。

    切迫早産について

    〜当院で対応可能な週数~
    切迫早産とは、子宮収縮が頻繁に起きて赤ちゃんが早い週数で産まれてしまう(=早産)危険のある状態のことです。早産とは、36週6日までに産まれることを指します。
    早産の赤ちゃんは体重が小さく、身体の機能も未熟な状態です。早産児の治療にはNICU(新生児集中治療室)が必要となりますが、これは産科医療の中核である「総合周産期母子医療センター」「地域周産期母子医療センター」に設置されている施設です。当院では、患者さんが35週未満の早産の危険がある場合には周産期母子医療センターへ搬送し、早産の赤ちゃんに対応して頂いています。
    35週以降の早産の赤ちゃんに関しては、小児科病棟内の新生児治療室で治療して頂いています。

    その他の治療

    羊水検査

    赤ちゃんの染色体を調べるために、お腹の上から細い針を穿刺して子宮内の羊水を採取する検査です。羊水検査は自費診療であり、入院日数により費用が異なります。

    1泊2日の場合:
    150,000円(FISH法併用の際は210,000円)

    日帰りの場合:
    120,000円(FISH法併用の際は180,000円)

    お母さんの採血検査による赤ちゃんの出生前検査(NIPT)は、当院では行っておりません。

    妊娠中に行われる手術など

    妊娠中に起きた合併症に対する手術と、妊娠継続に必要な手術に大別されます。
    前者の代表例には卵巣腫瘍の茎捻転(※)や破裂、後者には頚管無力症(※※)に対する子宮頚管縫縮術があります。これらの手術では、術中にお腹に負担がかかって流早産とならないように、十分な注意が必要です。
    これらの手術は全て保険診療が適用されます。

    ※茎捻転:卵巣が腫瘍で大きくなり、卵管や血管を軸として捻れること。 時間が経つにつれ卵巣自体が壊死してしまう。
    ※※頚管無力症:子宮口が非常に早い週数のうちに開いてしまい、流産に至る病気のこと。

    中京こどもハートセンターについて

    当院の心臓血管外科・小児循環器科・麻酔科・産婦人科が協力して、新生児心疾患の安全な治療を進めるために立ち上げたセンターです。
    胎児心疾患の妊婦さんに対して産科で周産期管理を行い、小児循環器科立ち会いのもとで出産して頂きます。赤ちゃんはNICCUで確定診断ののち、適切な時期に心臓血管外科による手術を受けます。
    赤ちゃんは手術後落ち着いたら再び小児循環器科での管理に戻り、以後は成人に達するまで小児循環器科でフォローアップされます。
    成人された元患者さんが妊娠された場合も、産科が当院の循環器科とともに周産期管理をしています。このような患者さんは、成人先天性心疾患外来(ACHD外来)でフォローアップされています。

    お産について

    お産は、赤ちゃんが約10ヶ月間お母さんのお腹の中で育ったあと、お母さん自身の陣痛によって外の世界へ産み出される現象です。
    このような順調なお産は正常分娩と呼ばれるものです。しかし、妊娠経過や合併症の種類によっては、正常分娩以外のお産の仕方(分娩様式)が必要になることもあります。
    また、分娩予定日(妊娠40週0日)に出産される方は多くはなく、初産の方では予定日を過ぎても陣痛が来ないことがあります。この場合、人工的に陣痛を起こす必要があります。
    以下に分娩様式、分娩時の処置、分娩進行を助ける治療等について説明致します。

    分娩様式(経膣分娩と帝王切開)

    経膣分娩が可能なのは基本的に重い合併症の無い方で、なおかつ赤ちゃんの向きや胎盤の位置に問題が無い場合です。
    以前に帝王切開や子宮の手術(筋腫核出術など)を受けられた方は、帝王切開での分娩となります。経膣分娩の予定で分娩が進行していても、状況の変化により緊急帝王切開が必要になることもあります。
    現在の当院の分娩様式は、経膣分娩が約7割、帝王切開が約3割です。

    経膣分娩時の処置

    以下のような処置・治療を行うことがあります。
    会陰切開・裂創縫合: 多くの方(初産では大半の方)で会陰切開や裂創の縫合が必要となります。
    吸引分娩・鉗子分娩: 赤ちゃんの状態が急変し、分娩を急ぐ場合には吸引分娩や鉗子分娩を行います。
    緊急帝王切開: 吸引・鉗子と同様に分娩を急ぐ場合、或いは分娩自体が停止している場合、超緊急事態では帝王切開を行います。
    輸血: 分娩では子宮や膣の傷からの出血がありますが、予測以上の多量出血に達したために輸血が必要となることがあります。

    分娩誘発

    分娩予定日を過ぎても陣痛が来ない方、合併症(妊娠高血圧症候群や妊娠糖尿病など)の悪化が心配される状態の方などは、分娩誘発が必要となります。
    陣痛を起こすためには、子宮収縮剤の点滴を行います。
    子宮口がまだ余り開いてない方には、まず子宮口を拡げる処置でお産を進める助けを行うことがあります。
    子宮口がある程度開いていてもまだ柔らかくなっていない場合、腟内に投与する薬剤を用いて子宮口を柔らかくする方法があります。この薬剤は現在自費診療であるため、別途費用が発生致します(1回につき30,000円)。
    上記の方法を組み合わせて、分娩進行を促していきます。

    無痛分娩

    現在、当院では経産婦さんに対して計画分娩の形態で無痛分娩を提供しています。
    妊婦検診を通して、安全な無痛分娩が行えると判断した妊婦さんに対して、適切な時期に無痛分娩の入院日程をご提案します。
    無痛分娩の詳細については、産科外来で担当医師にお問い合わせ下さい。
    費用:通常の分娩費用に加えて10万円をご負担頂きます。

     当院は妊婦さんやご家族に無痛分娩に関する情報を提供する団体(JALA)に情報公開を行い、希望される皆様への分かりやすい情報提供を心掛けております。

     JALA公開情報(PDF)

    立ち会い出産について

    新型コロナウィルスの流行以来、分娩時のご家族の立ち会いは中止しておりましたが、現在は、条件付きで再開しております。
     新型コロナウイルス感染症の取り扱いが変更となり、ご本人・ご家族へ行っていた入院時の検査は必須項目ではなくなりました。
     体調確認の徹底、人数と時間的な制限を設けて、感染対策を行いながら立ち会い出産を行っています。
     立ち会い出産に関しての詳細は、妊婦健診時にお尋ねください。
     帝王切開時の手術室立ち会いは行っておりません。病棟待機をお願いします。
     感染症の流行など、様々な状況を考慮し、立ち会いをご遠慮いただく場合もあることへのご理解とご協力をお願いします。

    陣痛が来たら

    来院から入院・出産までの流れ

    お産は陣痛が来ることで始まります。陣痛とは定期的に起こる子宮収縮の痛みで、最初は弱く、徐々に強くなってきます。また、お産の開始となる重要な兆候には、出血や破水もあります。

    これらの兆候が起きた時の連絡方法、入院の仕方から出産までの手順を以下にご説明します。

    病院連絡のタイミング

    陣痛:
    初産婦さんなら10分おきの陣痛、経産婦さんなら陣痛が来たらすぐにご連絡下さい。

    破水:
    膣から水が降りてきます。
    しかし、尿漏れのように多い場合とおりものと迷う程度に少量の場合があります。
    破水を疑ったらお風呂やシャワーには入らず、清潔なナプキンを当ててご連絡下さい。

    出血:
    月経程度の出血であればすぐご連絡下さい。また、産徴(おしるし)という少量の出血が見られることもあります。その際は10分毎の陣痛となるまでお待ち下さい。

    胎動減少・消失:
    赤ちゃんが産道を降りてきて動きが減っている場合と、何らかの原因で元気が無くなっている場合があります。すぐにご連絡下さい。

    上記に当てはまらなくても、不安がある場合はご連絡下さい。

    電話連絡〜入院

    妊婦さんへの対応部署は時間帯により以下のように変わります。ご確認の上お電話下さい。

    <電話連絡の方法>

    代表番号:052-691-7151

    「産婦人科外来」或いは「27病棟」に繋がったら、以下の情報をお伝えください。

    ①お名前と診察券番号 ②分娩予定日 ③今回が何回目のお産か

    さらに、陣痛の開始時間・間隔・持続時間、破水の時間、出血量などを確認させて頂きます。

    これらの状況を踏まえて、助産師から「もう少し様子を見て下さい」「入院の準備をして来て下さい」などの指示が伝えられます。

    来院を指示されたら、平日の診療時間内(08:30〜17:15)は産婦人科外来、休日や時間外は27病棟にお越しください。

    来院後、医師あるいは助産師の診察で入院が決定されます。

    お産の進行〜出産

    まずは陣痛室で経過を見ます。分娩誘発の場合などでは、陣痛がまだ強くない間は一般病室(個室)で経過観察となることもあります。

    分娩が進行し子宮口の全開大が間近になった時点で、分娩室に移動して頂きます。

    無事出産され、分娩室で2時間ほど経過観察した後に病室に戻って頂きます。

    以後は、産後の入院日程スケジュールに沿って過ごして頂きます。

    当院からのお願い

    当院は臨床研修指定病院です。
    臨床研修医・医学部学生・助産学生・看護学生の指導を行っています。
    出産および周産期医療全般(外来健診、診察、検査、保健指導等)において、臨床研修として妊婦さんや新生児に関わらせて頂くことがあります。
    未来の医療を担う人材育成と周産期医療の発展・充実のため、ぜひ臨床研修へのご理解とご協力をお願い致します。

    施設について

    産婦人科病棟は本館7階北側に位置する女性専用病棟です。(名称:27病棟)
    27病棟内に産科ユニットが設置されており、ユニット内に陣痛室と分娩室も含まれます。
    同フロア南側は小児科病棟であり、緊急事態に際しても小児科医師との円滑かつ迅速な連携が可能です。
    小児科病棟は3床の新生児用病床を備えています。また心疾患を持つ新生児は、小児循環器科の管理するNICCU(新生児心疾患治療室)に入院し治療を受けます。
    帝王切開は本館4階に位置する中央手術部で行います。また緊急帝王切開に対応するため、14手術室中の1室に常に帝王切開の準備がされています。当院には救急科があり、致命的な多量出血等の万一の場合にも迅速に対応して頂いています。産後の多量子宮出血に対して、血管塞栓による止血術を行って貰うこともあります。

    お部屋

    出産のために入院される妊婦さんには、産後の身体回復を促しつつ落ち着いて育児に向かっていただける環境を提供したいと考えています。
    感染予防の観点からも優先的に個室へご案内させていただいています。

    【分娩中に過ごすお部屋】
    陣痛室は産科ユニット内にあり、分娩室に隣接しています。
    陣痛開始から子宮口全開大の時まで、陣痛室で過ごして頂きます。
    分娩室は、2部屋あります。

    アメニティなど

    1人1セットお渡しします。内容は以下のとおりです。

    • 産褥パット(M・Lサイズ)
    • 簡易骨盤ベルト(産後直後に使用します)
    • 分娩監視装置用ベルト
    • 赤ちゃんの帽子
    • おしり拭き2個(母児同室時等に使用)

      出産までは分娩着をお貸ししています。出産後はご自身でご用意いただいたものを着用してください。
      アメニティー(病衣、タオル、日用品)の有料貸し出しもあります。他の入院患者さんも利用されています。

      ご利用される方は、入院までに、2階予約センター前にある受付にてご確認ください。

    食事

    • 産前:普通食をご提供します
    • 産後:産後食+祝い膳(産褥4日目)

    現在、各種選択食(ハラール食、ヴィーガン食等)の導入に向けて準備をしています。

    分娩費用について

    初産・経産の違いや分娩様式により、分娩費用は異なります。概算は下表の通りです。

    分娩費用概算と補助制度

    分娩形式 入院期間(平均的日数) 費用
    経腟分(初産婦) 7日間 約53万円
    経腟分娩(経産婦) 6日間 約50万円
    帝王切開 8日間 約53万円(※)

    ※帝王切開は保険診療が適用されます(経膣分娩は基本的に自費診療です)。
    保険診療に対しては高額療養費制度が利用できる為、患者さん毎の高額療養費制度区分により、ご負担頂く金額が変わります。
    各種健康保険に加入されていれば、赤ちゃん一人につき50万円の出産育児一時金が助成されます。
    また、「出産育児一時金の直接支払制度」を利用することで、実際にかかった出産費用との差額のみのお支払いで済ませることが出来ます。

    例:初産婦さん
      53万円−50万円(直接支払) = 3万円(退院時の実際のお支払い額)
    「出産一時金の直接支払制度」の手続きは分娩予約の際にお伝えします。
    直接支払制度をご利用されない場合、保証金をお預かりさせていただきます。保証金が確認できた方のみ出産の対応をさせていただきます。
    保証金の詳細に関しては、産婦人科外来へお問い合わせください。

    産科医療補償制度について

    稀なことではありますが、出産の経過で不測の事態が起きて赤ちゃんに後遺症が残ってしまうことがあります。
    産科医療補償制度は、分娩時に何らかの理由で重度脳性麻痺となってしまった赤ちゃんへの補償制度です。
    当院はこの制度に加入しており、当院で出産される妊婦さん全員を登録させて頂いています。
    この制度についての詳細は以下のサイトをご参照下さい。産科医療補償制度ホームページ

    産後の生活

    出産日〜退院までのスケジュール

    経膣分娩の場合、初めての出産の方は出産日を0日目とし6日目が退院日となります。
    2人目以上の出産の方は5日目の退院になります。
    帝王切開で出産された方は出産日を0日目とし7日目が退院日となります。
    経膣分娩、帝王切開術どちらの場合も体調を見ながら育児を開始していきます。

    <指導について>

    • 調乳指導:ミルクの作り方や哺乳瓶の取扱について
    • 沐浴指導:赤ちゃんのお風呂(沐浴)の準備・実施・片付けについて
    • 退院指導:退院後の過ごし方について

      ※指導は病院でお渡ししているパンフレット(すくすくハーモニー)を使用します。

    <母子同室時の貸し出し品>

    育児技術習得のため母子同室を行なっています。それに伴い病院より以下の物品の貸し出しを行なっています。

    • 哺乳瓶 ・ケトル ・ミルク缶・授乳クッション

    ※帝王切開後の方は、術後7日目までの産後スケジュールを作成しております。
    ※画像をクリックすると印刷用PDFがご覧いただけます。

    ご面会について

    病院の面会規則に準じます。
     小学生以下の面会はご遠慮いただいています。
     感染予防の観点から、病棟デイルームでの面会をお願いします。
     面会の際は、赤ちゃんを新生児室でお預かりさせていただきます。
    ★ご面会の方へのお願い★
     出産後の入院中は、限られた時間の中で産後の身体回復と休息確保、慣れない育児に適応していくための大切な時期です。
    各種指導も予定されています。産婦さんと赤ちゃんが心身ともに落ち着いて入院生活を過ごせるようにご配慮とご協力をお願いいたします。

    産後ケア入院

    出産後の短い入院期間では赤ちゃんのお世話や授乳に自信が持てない方、退院後にケアを受けたい方のために、最長で1週間ほど産科病棟への入院が可能となる制度です。(2023年9月より開始しています)
    利用申し込みには、事前に保健センターでの面談が必要となります。
    ご希望の方は、産科外来などにお問い合わせください。

    育児相談(助産師外来)

    助産師が主となって、退院後の母体の健康状態や赤ちゃんの発育状況、育児の状況をお伺いします。
    退院後に育児の中で困っていることや不安なことをご相談ください。
    産後8週までは、公費券を使用し実施していきます。公費券の無い方は自費で5,000円の負担をお願いします。
    (乳房ケアを同時に希望された方は、母乳外来の費用がかかります)
    その他、追加の受診、検査、処置が必要な場合は、別途費用が発生します。
    毎週月曜~金曜日の13時から30分~1時間の枠で実施しています。
    場所、持ち物等の詳細は、予約時にお知らせします。
    予約センターでの予約受付・変更はできません。27病棟で対応いたします。

    母乳外来について(助産師外来)

    育児相談と同日に乳房の状態や母乳育児で悩んでいることを助産師にご相談ください。赤ちゃんと一緒にお越しいただくことで、授乳状況を一緒に共有させていただき、具体的な方法を提案させていただきます。実際にどのくらい母乳を飲めているのか測定することもできます。
    持ち物:おむつ、着替え、ゴミ袋、ミルク+お湯(必要な方のみ)
    費用:1500円

    産褥1か月健診

    出産後約1ヶ月の褥婦さんに対する健診です。産婦人科外来で行います。
    産褥健診では、産後の心身の回復が普段の状態に戻りつつあるかを医師の診察とともに助産師の面談を行い確認していきます。
    毎週水曜日の午後に実施しています。(赤ちゃんが入院中の場合は、変更可能です)
    公費券がある自治体の方は、公費券を利用できます。公費券の無い方は自費で受けていただきます。

    医師・スタッフ紹介

    産婦人科医師

    部長:齊藤 調子(さいとう しげこ)

    1995年 名古屋大学医学部医学科卒業
    1997年 社会保険中京病院 産婦人科勤務
    1999年 刈谷豊田総合病院 産婦人科勤務
    2000年 名古屋大学医学部附属病院 産婦人科勤務
    2002年 社会保険中京病院 産婦人科勤務
    2014年 JCHO中京病院 産婦人科勤務
    2021年 JCHO中京病院 産婦人科部長
    2022年〜 名古屋大学医学部附属病院 臨床講師
    日本産科婦人科学会専門医、指導医、母体保護法指定医、新生児蘇生法専門インストラクター
    医学博士

    医長:鈴木 徹平

    医師:藤井 詩子

    医師:則竹 夕真

    医師:竹内 智子

    早わかり

    初診から出産まで

    • ① 月経が2週間遅れたら自己で妊娠検査して下さい。妊娠検査が陽性なら早めに受診して下さい。 前回の中京病院受診が1年以内なら受診予約が可能ですが、それ以外は予約外受診になります。 他院からの紹介の場合は、通院中の病院に病診連携室経由で予約を取ってもらって下さい。
    • ② 2回目あるいは3回目の診察で分娩予定日が決定されます。妊娠届を保健所に提出して母子手帳を交付して貰って下さい。以後の定期受診は妊婦健診になります。
    • ③ 妊婦健診1〜4回目の間に分娩予約を取って頂きます。入院用書類、出産一時金用書類、産科医療補償制度の書類を作成します。直接支払制度の申し込みを行います。
    • ④ 妊婦健診4〜6回目のいずれかで午後枠、30分かけてスクリーニング健診を行います。
    • ⑤ 妊婦健診8〜10回目のいずれかで午後枠、30分かけてスクリーニング健診を行います。
    • ⑥ 妊婦健診10〜12回目の間に分娩様式を決定します。帝王切開なら手術日も決定します。
    • ⑦ 妊婦健診12回目以降は毎週健診を行います。
    • ⑧ 妊娠40週以降は2回/週の健診を行います。分娩誘発の日程を決定します。
    • ⑨ 陣痛・破水が起きたら病院に電話して下さい。電話での助産師の指示に従い来院して下さい。 電話番号:052-691-7151 昼間なら産婦人科外来、時間外は27病棟へ繋いでもらって下さい。
    • ⑩ 27病棟あるいは産婦人科外来で診察し、産まれそうなら入院して頂きます。
    • ⑪ 正常分娩後の入院期間は初産なら6日間、経産なら5日間です。帝王切開は術後6日で退院許可が出ます。
    • ⑫ 産後2週間で助産師外来(育児相談)、産後4週間で医師による産褥健診があります。

    ※ 必要な方は外国語に翻訳してご覧下さい