膵臓がん

診療・各部門

膵臓がんとは

 膵臓は胃の裏側に位置し、消化液を分泌する外分泌機能と、インスリンなどの血糖値を調節するホルモンを分泌する内分泌機能を持っています。膵臓にできるがんは、その90%以上が外分泌系の膵管細胞から発生します。膵臓は十二指腸に囲まれた頭部、真ん中の体部、左端の脾臓に近い尾部の3つの部分に分かれ、それぞれがんの発生した場所により症状も治療方法も異なります。膵頭部では胆管が近くを走行するため、しばしば黄疸で発見されます。しかし体部や尾部では腹痛、早期膨満感、食欲低下、体重減少、背部痛、糖尿病の悪化などにより初めて発見されることが多く、早期発見が難しいがんです。手術による切除が困難であったり、たとえ手術により切除できても進行が早く再発も多いため、抗がん剤や場合によっては放射線治療との組み合わせが必要です。

当院における膵臓がんの診断と治療

診断

 CT、MRI、腹部超音波検査、超音波内視鏡検査などで診断します。また黄疸の治療を兼ねて、内視鏡的胆道ドレナージ(EBD)、経皮経肝胆道ドレナージ(PTBD)、超音波内視鏡下胆道ドレナージ(EUS-BD)を行うことがあります。

手術治療

 膵頭部のがんでは膵頭部と十二指腸、胆管、胆嚢を一緒に切除(膵頭十二指腸切除)することが一般的です。体部や尾部のがんでは膵体尾部と脾臓を切除します。膵臓がんは胃がんや大腸がんに比べて頻度の少ないがんですが、特に膵頭部のがんでは長時間を要する手術が必要です。また切除が難しい場合でも、胆管と小腸をつなぐバイパス手術や、胃と小腸をつなぐバイパス手術を行うことがあります

がん薬物療法(抗がん剤治療)

 切除できない進行がんや切除後の再発に対しての治療はがん薬物療法が中心となります。根治手術後の再発予防としてがん薬物療法を行うこともあります。

当院における膵臓がん治療の実績について

 手術件数 2017年 2018年 2019年 2020年 2021年
膵頭十二指腸切除 9例 14例 13例 15例 12例
膵体尾部切除 6例 5例 5例 1例 4例